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 Diary 2004・4月13日(MON.)

匿名批評

 オイシン来店。イラクにおいて 3 人の日本人がイラクの組織に捕まり、人質解放の条件として自衛隊のイラクからの撤退が要求されてゐる、といふ事件について、「自作自演の可能性がある、と、今ネット上で話題なんですよー」と、教へてくれた。

 私はこの事件に関して、テレビなど見ない人間だから、ネット上のニュース記事で読むだけなので、あまり詳しい事は知らなかつた(今でも知らない)。最初にこの事件を知つた時、まづ思つたのが、「家族の人たちは大変だなァ、一体どうやつて世間に詫びるつもりなのだらう」といふ事で、子供が問題を起こした時に(今回は捕まつた訳だが、わざわざ戦争をしてゐる国に行つて捕まつた訳だから、本人の責任は大きい)、その親兄弟が世間に詫びるといふのは、もしかしたら「特殊日本的」な事情なのかもしれず、私も色々と考へるところはあるが、とりあへずはやはり世間に対して詫びるのが現状日本においては常道だらうと思ふ。ただ、その事に付け入つて、周りが激しく親兄弟を非難するのはよろしくないであらう。周りは、同情を持つてその詫びを受け入れるべきだらう。

 などと考へてゐたのだが、テレビを見た人達の話によると、この人質の家族の人たちは世間に詫びるどころか、まるで被害者のやうな顔をして政府攻撃などをやつてゐるといふので、ビックリしてしまつた。なぜそのやうな頓珍漢なことになつてゐるのか、私の事実認識に誤りがあるのか、とも思つたのだが、テレビを見た人達も、みなうんざりしてゐる様子なので、やはりなにかおかしいのであらう、と思つてゐた。

 そこに、このネット上で騒がれてゐる「自作自演疑惑」である。私は、この疑惑が正しいのかどうなのか、サッパリ分からない。他国の人たちも次々と捕まつてゐるやうなので、やはり本当なんぢやないかとも思ふ。が、「自作自演」が、他の本当の事件を引きおこしたのかもしれず、全てが「自作自演」なのかもしれない。そんなバカな、と言はれるかもしれないが、国際的な極左組織が噛んでゐるとすると、出来ないことでもない、とも思ふ。現代はメディア戦の時代だし、とか。

 なんにせよ、火のないところに煙はたたない訳で、たとへ「ガセ」だとしても、事件のある一面を鋭くえぐりだす効果はある訳だし、なかなか面白いことだと思ふ。スガヒデミが言ふやうに、公的なメディアからがほぼ消滅した現在、ネットは現代唯一の匿名批評といふ栄誉を担つてゐるのかもしれない。

 一気に暑くなつてきましたね。

小川顕太郎 Original: 2004-Apr-15;