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 Diary 2003・9月25日(THU.)

雨の休日

 起きたら雨。ずつと雨。雨だとどこにも出掛けていく気がしないし、季節の変はり目故か身体の調子があまり良くなく、家でゴロゴロ・ウツラウツラして過ごす。

 基本的に音楽はかけつぱなし。聴いてゐるうちに寝てしまい、起きては聴いて、寝て、聴いて……。メアリー・J ・ブライジの新作『LOVE & LIFE』。パフィと再び組み、原点回帰のやうな典型的なヒップホップソウルを聴かせる。さすが、クイーン・オブ・ヒップホップソウルと呼ばれるだけあつて貫禄十分。素晴らしいです。女王様の御帰還。最近話題のアシャンティなんかとは較べものにならない、と私なんか思ふのですが、どうぢやろ? ジャケットのメアリーも格好良すぎです。…サウス・セントラル・カーテルの幻の傑作と言はれる 3 枚目『ALL DAY EVERYDAY』。再発されたので早速購入して毎日愛聴。うーん、いい。特にマーヴィンの『LET'S GET IT ON』を使つた『IT DON'T STOP』が、笑つちやうぐらゐイイ。こんなベタな大ネタを使つて、キチンと他レベルのソウルフルな作品にしてしまうなんて、強引といふか何といふか、正にヒップホップの真髄、といふ気がします…。

 本なんかも読む。半分寝ながら。ジェームズ・ブラウンの自伝『俺が JB だ!』。この本、日本で邦訳が出た時に、いつか読まうと考へながらズルズルと買はないでゐたら、いつの間にか書店で見かけなくなつて、あれ? 品切れか、と焦つてゐたのだが、目出度く文藝春秋で文庫化した。これも JB の日本ツアーと映画『ゲロッパ!』のおかげだ。JB の人生やエピソードに関しては、様々な所で断片的に取り上げられてゐるので、だいたい知つてゐることばかりだつたけれど、やはり、それでも面白い。真に偉大な人物の謦咳に接する(間接的にだけれども)、といつた感ぢで、これは是非必読かと、思ひながら、また寝たりして…。

 妹から借りた DVD 『座頭市物語(三隅研次監督・勝新太郎主演・1962 年)を観る。私は座頭市は、シリーズ化してちよいと後のものしか観たことがなかつたのだが、とにかく座頭市は 1 本目の『座頭市物語』だ! と聞かされてゐたので、久しく観たいと切望してゐた 1 本である。その期待に十分こたへてくれる作品であつた。画面全体に張つてゐる緊張感も凄いが、何より次々と事件が生起していく様が凄い。何気ないエピソード、場面が、ドンドンと事件を生起させる。気が付けば、アッといふ間に濃密なひとつの物語を観終はつてゐる、といつた次第。ここまで洗練された娯楽作品は、今はあまりないだらうなァ、などと呟きつつ、眠りの世界へ…。

小川顕太郎 Original:2003-Sep-27;