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 Diary 2003・10月31日(FRI.)

地獄からの…

 アガくん来店。カウンターで携帯電話を見つめながら何やら呟いてゐる。一体どうしたのだらうか、精神の均衡を失したのか? と、私は多少不安になつたのだが、なんとアガくんの携帯電話は、テレビ電話になつてゐたのであつた! さういへば、携帯電話から声が聞こえてゐたやうな気もするが、とにかくテレビ電話なので、携帯電話に相対して喋る、といふことになるのだ。隣に座つてゐたベッチが「あ、**や! 凄い」と言つてゐたので、世間では話題になつてゐるのだらうが、世情に疎い私はこんな代物があることを知らなかつた。うーん、すでに私が子供の頃に言はれてゐた近未来だ。さらにアガくんは、この携帯電話を使つて、自らのサイトを立ち上げたのだと言ふ。もうパソコンも要らないか。ちなみにこのアガくんのサイトは、都市伝説を様々な所から拾つてきては載せてゐるものらしい。面白さうだ。さういへばアガくんには、その昔「くだん」について調べて貰つたことがある。私は神戸で育つたので、世の災害を予言して死ぬ、と言はれる人+牛の妖怪(?)「くだん」について、多少の興味があつたのだ…。

 タカハシくん来店。弟さんが本を買つてきて読んでゐるといふ。タカハシくんの影響だらう。ま、いいことではないか、と思つたのだが、話を聞いてゐると、どうやらその本といふのが、あまりに酷い! と巷で話題になつてゐる駄本『Deep Love』らしいのだ。私も本屋で山積みになつてゐるのを見掛け、手に取つたことがあるが、いやはやトンデモナイしろものであつた。3 行以上、読み進めることは出来ない。小学生、しかも低学年の子供が書いたとしか思へない、稚拙な文章。恥ずかしい話だが、私は小学校 3 年生の頃になぜかお話を書くことに熱中し、紙に小説(?)を書いてはホッチキスで留めて本のやうなものにし、友だちや先生の間に回覧して読ませてゐた。多分、それと文章の程度はあまり変はらない。文章を書く、といふのがどういふ事なのか、が分かつてゐない人間の書いた文章だ。人に読ますのは失礼、といふものである。こんなものが活字になつて売られてゐる、さらには 100 万部を超へる大ヒット、といふのだから冗談みたいな話で、私はそんなことはあり得ない、情報操作ぢやないか、と疑つてゐたのだが、やはり実際に買つて読んでゐる人間が存在する、といふ事が分かつて愕然とした。それにしても…。

 クニトモさん来店。「今年は変な年でしたねェ」と、しみじみ言ふ。なるほど。オパールは 7 年目に入りました。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-1;