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 Diary 2003・5月26日(MON.)

タイガースファン
の人たち

 ヤマネくん & クラタニくん来店。彼らは、明後日の水曜日、二人で甲子園に行くことになつてゐるのだ。対横浜戦。私は現在の野球事情には疎いが、二人によれば、ただいま阪神タイガースは余裕の首位。対して、横浜ホエールズはダントツの最下位。と、いふことらしい。

 二人の話に耳を傾けてみる。

「いやあ、なんていひますか、今の横浜を見てゐると、なんか懐かしいといふか、少し、羨ましい感ぢがしますねえ。ここまでボクらが強いと」

「んー、さうだね! でも…いざ優勝することが確実になると、その、マリッジブルーといふか、娘を嫁にやる父親の心境といふか、ちよつと、複雑な気持ちなんだよねえ…気分が塞ぎがち」

「分かります、分かります。18 年も待ちましたからねえ…」

「でも! はは! そんな気持ちも実はとつくに克服したんだ! イエーイ! ドンドンいくでー!」

「さうですよ! それでこそヤマネさんです。ボクも当日は会社を早退して甲子園に駆けつけますよ!」

「でも、世間ではタイガースによる経済効果! といふことばかり言はれてゐるけど、見通しが甘いね。タイガースが優勝した暁には、みんな一気に気落ちして、経済はどん底まで落ちると思ふな。会社辞めたり、引きこもりになつたりして」

「それはあり得ますねえ…ボクもやつぱり、当日は会社休もうかな。どうせ仕事も手につかないだらうし」

「そんなタイガースファンに較べて、悔しいけど、やはり巨人ファンは大人、といふか、大きいよねえ。ナベツネも、阪神が勝つのは、野球自体が盛り上がることになるので良いことだ、とか言つてゐるし」

「さうなんですよ! ボクの会社の同期の奴も、巨人ファンなんですけどね、この間の広島戦、一緒に阪神の応援に行つたんですよ! 一所懸命、阪神を応援してくれましてねえ。そんなん、考へられないですわ。ボクなら、絶対に『巨人負けろ!』とか思つて、広島を応援しますもん。巨人が勝つのは良いことだ、とは決して思はないですし。」

「はは、さうなんだよねえ。阪神ファンって、器が小さいんだよねえ。だから、企業のトップとかが阪神ファンだと、その会社大丈夫か? とか、不安に思つちやうんだよねえ」

「確かに、ウチの会社の所長は巨人ファンですわ。…うーん、やつぱり、当日はそんな会社を辞めて、甲子園に駆けつけやうかな」

「はは、阪神ファンって、器が小さいんだよねえ」

 阪神の話だけで何時間も喋り続ける二人をみて、やはり凄いなあ、と思つたのでした。

小川顕太郎 Original:2003-May-28;