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 Diary 2003・5月7日(WED.)

ことばの事典

 5 月 3 日の日記で宣言したとほり、『ことばの事典(日置昌一・日置英剛)を購入。これで少しは日置先生の学恩に報いることができた、と言ひたい所だが、実は古本屋でこれを見つけてしまい、心の弱い私は思はずそこで購入してしまつたので、あまり意味がなかつた。みなさんは、是非本屋で新品を買つて下さい。アマゾンには、在庫があります。

 で、パラパラと捲つて読んでゐるのだが、なかなか面白い。言葉の意味を説明した後に、その言葉に関係する小話を載せたり、川柳や俳句が載つてゐて、「事典」とはいふものの、軽い読み物として楽しめるやうになつてゐるのだ。例へば、「ヘップバーン」。「ヘップバーン」といふ項目があるのも楽しいが(と言つて、『広辞苑』にもありますが)、そこには、昭和 29 年の春頃から女優のヘップバーンを真似て流行した髪型のこと、といつたやうな説明がしてある。あのショートカットのことだ。そして、その後に、ヘップバーンは実は、ヘボン式ローマ字を考案したヘボン氏の一族であり、どちらも名前を英語で記せば Hepburn 。つまり、日本語による発音の(書き表し方の)違いで、本来はヘップバーンもヘボンも同じ、といふやうな雑学が記してある。さらに、ヘップバーンカットは美容代が高くつくので、女性が床屋に行くことが当時流行し、そのせいで床屋を美容院と間違へた男の小話が載つてゐる。そして、最後に川柳。「秋たけて襟元寒しヘップバーン」など数種。ね、なかなか面白いでせう?

 ちなみにヘボン氏の日本名は「平文」。これは『広辞苑』に載つてゐた豆知識。ついでに、紀田順一郎の『コラムの饗宴』(実業之日本社)では、ヘボン博士が岸田吟香に目薬「精キ(金ヘンに奇)水」の製法を伝授し、この製品が明治期前半期における最も著名な広告であつた、といふ話が載つてゐる。おまけで記すと、この『コラムの饗宴』には、様々な名言が散りばめられてゐるのだが、その中からひとつ。「男は月給に支配され、女は月経に支配される」長谷川如是閑。

 なんだか話が脱線したやうだが、日置先生は紀田順一郎と親しいらしいので、まあ、いいでせう。

 次は『ものしり試合 ―日置昌一対談集―』が欲しいなあ。

小川顕太郎 Original:2003-May-8;