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 Diary 2003・3月22日(SAT.)

反戦の理由 その 2

 昨日の日記を書いてから、まだ書き足りないことがあるのに気がつきました。まあ、昨日あげた理由と関連することではあるのですが、やはり、アメリカの極悪非道なやり方は許せん! といふものです。

 アメリカはイラク攻撃の理由として、「大量破壊兵器を隠し持つてゐるから」と言つてゐますが(少し前までは、イラクが 911 テロを支援してゐた疑いがあるから、と言つてゐましたが、様々な所から反証があがるにつれて、この理由は言はなくなつたやうですね)、世界で一番たくさん大量破壊兵器を持つてゐるのは、アメリカ自身ではないですか。それに対して、アメリカは「いや、我々は自由と民主制を守る正義の国だが、イラクはテロを支援する悪の枢軸だから」と答へるのでせう。しかし、こんな手前勝手な理屈を信じる人なんて、一体どれほどゐるのでせうか。実際、大量破壊兵器を大々的に使つてゐるのは、アメリカだけです。また、軍事力にものを言はせるアメリカのやりかたは、ある種の「テロ」と言つても過言ではないでせう。

 だいたい、あのアフガンでの戦争で、アメリカは一体どれほどの劣化ウラン弾を打ち込んだのでせうか。劣化ウラン弾は核兵器でせう? アフガンはそのおかげで過去最大と言はれる放射能汚染に今も苦しみ、奇形児が大量に産まれてゐるとの報告があります。また、100 万人の飲料水をまかなつてゐたカジャキ・ダムを破壊し、地下水路には有毒物質を流したため、アフガンでは一般の人々はもちろん、動物達まで血を吐いて死んでいつてゐる、といふではないですか! 非戦闘員、つまり一般の人々を大量に組織的に殺戮する、これほどの極悪非道を正当化する言葉などあるとは思へないのですが、アメリカはかう言ひます。「アルカイダはアフガンの至る所に潜んでゐる。だからそれを燻り出すために必要だ。」…アホか。

 ああ、この言葉、これと似た言葉を、我々日本人はよく知つてゐますね。大東亜戦争、つまり第 2 次世界大戦時の話です。我々日本人は、お人好しといふか、アホといふか、戦争とはああいふものだと思つて納得してゐる人も多いやうですが、アメリカによる六大都市の空襲、及び長崎・広島への原爆投下は、明白な戦争犯罪です。非戦闘員の組織的な大量殺戮。個人的には、ナチスのホロコーストに較べても、決して見劣りのしない非道さだと思ふのですが、ホロコーストがいまだに糾弾され続けてゐるのに較べ、アメリカの方がちつとも糾弾されてゐないのは、アメリカが戦争に勝ち、ナチスが負けたからでせう。それはともかく、アメリカが日本の都市、一般の人々の住む街を焼き払ふ時に使つた理屈が、「日本では、街の中に大量にある小さな町工場が、兵器を作つてゐる。だから、それを壊すために、街も焼き払はなければならない。」…ね、アフガンの人々を殺戮する理屈とそつくりでせう。

 私はこのやうな白々しい言葉、理屈に、激しい嫌悪感を覚えます。こんなものを、まかり通らせてはならない。この激しい嫌悪感、及び憤りも、今回の反戦の理由に付け加へたいと思ひます。

小川顕太郎 Original:2003-Mar-24;