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 Diary 2003・7月23日(WED.)

アッシャー ライブ

 DVD にてアッシャーのライブ『LIVE EVOLUTION 8701』を観る。アッシャーは、ポスト・マイケルジャクソンと言はれる(自称?)男性アイドル・シンガーで、歌へて踊れてラップも達者、現在の恋人は TLC のチリ、といつた御仁である。顔はちよつとアキラ 28 に似てゐるのでは、とトモコと以前から密かに語りあつてゐる。そんなアッシャーのライブは、ダンスしまくり、エンタテインメント精神に溢れた見応へのあるもの、といふ評判だつたので、発売と同時に購入。その超絶ダンスを見せて貰おうぢやないか、と勇んで鑑賞に及んだのであつた。

 ところが…。確かに、アッシャーのダンスはなかなか凄さうである。しかし、何だこのカメラワークは! ズタズタにカットされてゐて、肝心のダンスはちつとも分からない。ババさんがよく怒つてゐる、カットしまくりで凄さが全く伝はつてこないハリウッド映画のクンフーシーンのやうだ。実際、ダンスの決めのポーズの所だけスローモーションになつたり、画面が止まつたりするので、これは蹴りが入る瞬間だけスローモーションにしたり画面を止めたりする、ハリウッドのクンフーシーンと同じ発想・美学に基づいてゐると思はれる。全く何も分かつてゐない、としか言ひやうがない。

 ダンスにしろクンフーにしろ、ワンカットで身体の動きを十全に見せるに如くはないのに、そんな事が分からないか? それとも、ただ身体の動きを撮るだけでは芸がないと思はれるのを恐れて、つい小手先の技を駆使しまくつてしまうのか。田舎モノのセンスである。発想が貧困なのか、センスが悪いのか。とにかく、このカメラワークのせゐで、せつかくのライブ映像が台無しであつた事だけは確かだ。トモコとともに大いに怒りまくつてしまつた。

 とはいへ、ステージそのものは、色々と工夫を凝らしてゐて、楽しめた。特に、ジャネット・ジャクソンのステージでも見られた、観客のひとりをステージに上げて嬲る…といふか、アッシャーの場合は絡む演出が、興味深かつた。ステージ上のベッドに、観客の女の子をひとり上げて、絡む! ベッドに押し倒したりするたびに、観客席から他の女の子たちによる絶叫が起こる。うーむ…きみら…楽しさうだね。過剰にカッコをつけたアッシャーもなかなか気色良し。やはり、惜しむらくはカメラワーク…と、やり切れない思ひで DVD をケースに戻したのであつた。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-24;