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 Diary 2003・7月14日(MON.)

予想外の展開

 タカハシくん来店。先日与へた江戸川乱歩の短編集を持つて来てゐて、辞書を引き引き読んでゐる。すでに何話か読んだみたいなので、感想をきいてみる。

「面白いです」。

 ほう、どういふ所が面白いのかな。

「えー、予想外の展開のところ。えー! うそー! って、考へてもみんかつた風になる」なるほど。乱歩のトリックは、割とオーソドックスで単純、と思ふのだけれど、その分、原初的な魅力に満ちてゐるので、タカハシくんのやうに小説なんか読んだことのない人には、凄く面白いかも。タカハシくんの想像力を、はるかに上回る展開をみせるのだらう。良かつたなあ、タカハシくん。あ、もし分からない事があれば、きいてね。言葉の意味とかでもいいし、ストーリーに関することでもいい。疑問点があれば、答へるから。

「はい…ぢやあ、この話は実際にあつた話なんですか?」

 へ?! …いや、だからこれは小説だつてば。…ううん、タカハシくんも、予想外の質問をするなあ。

「この、〜屋、といふのは何屋さんなんですか? 読み方も分からないんですけど」

 どれどれ、『蕗屋の考えによれば、心理試験はその性質によって二つに大別することができた』か…。これ、人名やん! 店と違ふってば。読み方は「フキヤ」。大体、これ、主人公と違ふか? …ほら、冒頭に『蕗屋清一郎が、なぜこれからしるすような恐ろしい悪事を思い立ったか…』って、書いてあるやん。しかもルビつきで! むむむむ、主人公が分からなくなつたら、ストーリーの把握なんて出来ないんぢやないか? …大丈夫であらうか? なかなかに、前途遼遠である。

 コータローくん来店。私がヒップホップの定義をコータローくんに教へ、代わりにコータローくんから殴り方を教はる。とにかく、手首を固定することが大切なので、まづその筋肉をつけるべきだ、と言はれる。手首から肘にかけての筋肉。拳立てなんかが有効だとか。なるほど。

 本日は暇であつた。明日は宵山。さて、どうなるのか。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-16;