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 Diary 2003・7月7日(MON.)

可能涼介帰る

 可能涼介が帰つてきた。今回は、一応、長い東京生活に区切りをつけ、東京の住処を引き払ひ、関西に帰つてきたのだ。7 時 7 分発(あれ? 着だつたかな?)の新幹線で、帰つてきた可能だが、本当は 7 時 7 分ではなく、8 時 17 分発(着?)の新幹線に乗りたかつたのだといふ。が、その時間の新幹線は無かつたのだ。

「残念だなあ、7 月 7 日 7 時 77 分、といふのをやりたかつたんだけれどなあ。まあ、7 月 7 日 7 時 7 分でもいいとするか」

 一応、東京を引き払ふといふことで、結構みんなに暖かく送り出して貰つたらしい。送別会もやつて貰つたさうだ。とはいへ、これは柄谷行人朗読会が、途中で可能涼介送別会に変質した、といつた代物だつたらしいのだけれど。島田雅彦に、大阪なんて近いぢやないか、大袈裟に騒ぐほどのことはない、と言はれ、枡野浩一からは、可能さんはいつもフラフラしてゐるから、住処が東京だらうが大阪だらうが、あまり関係ないんぢやないですか、と言はれ、それもさうだと、サッパリした気持ちで帰つてきた可能であつた。さて、こちらではどのやうな活躍(?)をするのであらうか。

 タカハシくん来店。私が昨日購入した本をあげる。その本のことを説明しながら、色々と小説について喋つてゐるうちに、話はヘミングウェイのことに及んだ。すると、タカハシくんが「ヘミングウェイって、知つてます」と言ひ出した。

「ヘミングウェイって、確かチホーでせう?」

 ええ! 痴呆? …さうかなあ、確かにヘミングウェイは最後に猟銃自殺をしたけれど、別に、老人性痴呆になつてゐたといふ話は聞かないけれどなあ…せいぜい、鬱病ていどぢやないかなあ…。

「えーと、ヘミングウェイの海、ってなかったでしたっけ?」

 ヘミングウェイの海? もしかして、それは「老人と海」のことかな? この作品は、まあ、タカハシくんも読んだ方がいいと思ふけど。

「あ、もしかして、ヘミングウェイって、人の名前ですか?」

 ? …あたりまへやん…と、ここで私は卒然と気が付いた。タカハシくんの言ふ「チホー」とは、「痴呆」ではなく「地方」だつたのだ!! ……難しすぎるよ、タカハシくん。

 こんなんで、この先、大丈夫だらうか。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-8;