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 Diary 2003・7月2日(WED.)

FRIDAY に反応

 現在オパールには映画『NEXT FRIDAY』のポスターが貼つてある。この映画は、ブラックムービーの金字塔的名作『FRIDAY』(監督は『ミニミニ大作戦』の F ・ゲイリー・グレイ)の続編で、アメリカでは前作に劣らないほどの大ヒットをしたにも関はらず、日本では未公開の作品だ。まあ、日本では前作『FRIDAY』もほとんどヒットしなかつたやうなので、仕方ないかもしれない。しかし、この『FRIDAY』シリーズ(現在第 3 作まで作られてゐる)、ほんと名作で、ヒップホップやブラックムービーに興味のある人は決して避けて通れないものなのだ。それ故か、日本でもカルト的な人気を誇るやうで、その事は、オパールに掛かつてゐるポスターを見て(先日まで『FRIDAY』の方を掛けてゐた)、激しく反応する人たちが存在するのでも分かる。

 本日も、ひとりの黒人のお客さんがやつて来て、実は彼は他の店と間違つてオパールに来たのだけれど、間違ひに気づいて帰らうとした所でこの『NEXT FRIDAY』のポスターに眼が止まり、思はず声をあげるほど反応してゐた。そして、オパールの営業時間を確認し、こんど友だちを連れてやつてくる、と約して帰つていつた。

 さういへば、先日ある雑誌の取材があつた時に、この店のテーマは何ですか? といふやうな質問をされ、いささか返答に窮したトモコが「ヒップホップかしら」と苦し紛れに答へたところ、その取材の人は、「ああ、なるほど。わたし、ヒップホップの事は何も分からないんですけど、あのソファにたつぷりした黒人の方々が座つて、いま流れてゐるやうな音楽を聴きながらコーヒーを飲んでゐたりするのは、ステキな光景でせうね。このオシャレな内装ともあつてゐるやうな気がします」と、応じた。なかなか、いい事を言ふ人である。

 で、その取材の時に、私は居なかつたのだが、途中でコーヒー豆を届けにきたオオヤさんを、その取材の人は私と間違つて、挨拶をした。そこですかさずオオヤさんは「はじめまして、左のケンタロウです」と挨拶を返したさうだ。オオヤさんナイス。

『NEXT FRIDAY』、せめて日本語字幕つきの DVD で出してほしいものです。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-4;