京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > Diary > 03 > 0701
 Diary 2003・7月1日(TUE.)

ミニミニ大作戦

 京極東宝に『ミニミニ大作戦』を観に行く。監督は、あのブラックムービーの金字塔的名作『フライデー』を撮つた F ・ゲイリー・グレイ、出演者のひとりにニューヨーク・アングラ・ヒップホップ界の(ブラック)スター、モス・デフがゐる、といふことから、バリバリのヒップホップムービーか? と思へばさにあらず。『ミニミニ大作戦』といふ、如何にもシックスティーズな題名からも分かるやうに、マイケル・ケイン主演で撮られた 60 年代のカルトムービーのリメイク作なのであつた。

 とはいへ、ミニクーパーを使つて泥棒をする、といふ点以外は、ほとんど話を変へてあるやうで(オリジナル作品は未見)、それ故か、舞台が現代に移されてゐても全く違和感なく、非常によくできた娯楽作品として楽しむことができた。

 なんといつてもオープニングが格好良い! 映像センスもさることながら、音楽がいいんだよねー。音楽はジョン・パウエルといふ人なんだけれど、なかなかブラックミュージックテイストに溢れた楽曲で、もう映画冒頭の 5 分くらゐはゾクゾクと震へっぱなしで、いきなりハートをつかまれてしまつた。その後、だれることなく、非常にテンポよく映画はすすみ、お決まりの大団円へ。うーん、見事だ。ただ、ちよつとテンポが良すぎるかな? って、これは贅沢な注文かもしれないですが。

 俳優陣も素晴らしくて、演技するモス・デフも良いし、私の大好きなドナルド・サザーランド、ドクター・イーブルの息子スコットとして有名なセス・グリーン、もしかして一番良かつたエドワート・ノートン、ヒロインのシャーリーズ・セロンもすごく良かつたし、ちょい役で出てくるサモアンの人々なんか、如何にも西海岸! ってな感ぢで二重丸…ただ、主演のマーク・ウォールバーグの良さだけが分からなかつた…。

 まあ、マーク・ウォールバーグは、役柄もいまひとつはつきりしなかつたんだよね。この泥棒団は、天才金庫破り、天才ハッカー、天才ドライバー、天才爆弾使ひ…と、それぞれ一芸に秀でた者たちが、力を合はせて活躍する、といふ設定になつてゐるんだけど、マーク・ウォールバーグはその泥棒団のリーダーで、天才的な犯罪計画立案者、といふ事になつてゐる。けど、それが十分に描かれてゐるとは思へないんだよねー。やはり、ここはひとつ、一休さんみたいに、計画を練る時は座禅を組むなどして、ポクポクポクポクチーン! で、素晴らしい計画を思ひつく…といふ風にすれば良かつたと思ふ。さうすれば、如何にも知恵袋って感ぢで、いいでせう?

 今年は、なかなか良い映画が豊作、のやうな気がします。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-3;

関連記事
レヴュー:2003・6月25日
ミニミニ大作戦(BABA)