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 Diary 2003・1月9日 その 2(THU.)

上海日記 4日目
後編:総括

〈なぜ上海がブームなのか〉

 さて、いまは上海が旅行先として大人気である。様々なメディアが上海特集を行つてゐる。私が上海から帰つてきてからも、雑誌「HANAKO」や雑誌「Casa BRUTUS」、雑誌「広告」などが上海特集(「ブルータス」は北京も)を行つてゐる。空前の上海ブームである。まア、我々もこの上海ブームに乗つた形なのだが、さて、それでは何故ここまで上海ブームなのであらうか。

 素朴に考へれば、いま最も上海が熱いから、であらう。しかし、世の中はそれほど単純ではない。どうやら、この上海ブームの裏には、中国政府による強力なテコ入れがあるやうなのである。外貨獲得のため、アメリカとの対抗上国力をつけ国際的な地位を上げるため、中国は各国のメディアに様々な働きかけを行つてゐるやうなのだ。さういつた意味で、今の上海ブームは、中国の政策上で演出されたものである。とはいへ、私はそれが悪いと言つてゐる訳ではない。ブームといふのは、常にある程度演出されたものだからだ。問題は、その演出に乗る側の、あまりの主体性のなさにある。

 テコ入れがあるといふことは、中国側にある程度の便宜を図つて貰へる反面、中国側からこの店は是非紹介してくれ、とか、こういふ事は書かないでくれ、などといふ注文がつくことが考へられる。かういふものに、安易に従ひ過ぎてゐるのではないか。かういふのは、文革報道に代表される戦後の日本マスコミによる一連の中国報道を思ひ出させる。文革報道に於いては、諸外国のマスコミが中国政府から国外追放にあひながらも内幕を書き続けたのに対して、日本のマスコミは(まあ、朝日ですが)北京に支社を置かせて貰ふのと引き替へに、中国側に都合の良いことを書き続けた。結果として、長きに渡つて日本国民を騙し続けたことになる。マスコミといふのは、巨大な影響力を持つてゐる。それ故に、このやうな行為は罪が重いといへる。私はそれを思つて、暗澹とするのだ。

〈で、結局、上海はどうなのか〉

 結論から言ふと、上海旅行はとても面白かつたし、また行きたいと思ふ。さらに、たとへそれが演出されたものであつたとしても、上海ブームも歓迎すべきと考へてゐる。なぜなら、私は「アジアは一丸となるべきだ」といふ考への持ち主なのだが、最近の日本では反中国、反朝鮮の気運が高まつてゐるやうな気がするからだ。もちろん、気持ちは分からないでもない。中国も南北朝鮮も、反日政策をとつてゐる國であり、日本人としては腹の立つことがあまりにも多いからだ。しかし、隣国と揉めるといふのが一番悲惨なのだ。なにかと関わりが深いだけに、影響も大きい。だから、仲良くまではしなくても、なるべく揉めないやうにするのが賢いと思ふ。それに、アジアは西欧に分断されて、いいやうにされてきた歴史がある。戦後はアメリカによる支配だ。

 韓国の異常なまでの反日意識は、もちろん日本による植民地統治の記憶も大きいが、アメリカによる洗脳もかなりの割合を占めるのではないだらうか。アジアの国々を揉めさせておいて、いいやうに支配するのが、戦後アメリカの変はらぬ戦略だ。かういつた事態に対抗するためにも、アジアは揉めるべきではないと思ふ。EU のやうにひとつになるのは無理だとしても、対西欧(今なら対アメリカ)といふ視点のもと、政治的に一丸になるのが良いのではないかと思ふのだ。

 そのためには、まづアジアの国々がお互いを知ることである。情報誌に書いてあることなど、あまり信じず、自分の眼で確かめること。その一歩として、上海ブームに乗るのも悪くはない。なんにせよ、我々は大いに楽しんだ。(とはいへ、本などを読んでその國について調べるといふ作業は不可欠だらう。あまりにも何も知らないと、何も見へないものだ)

 また、上海に行きたいなア。>> 上海寫眞帳 35

小川顕太郎 Original: 2003;