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 Diary 2003・2月19日(WED.)

演サバに朗報

ご皇室の謎』東京ハイソサエティ研究会編(メイツコア)といふ本を読んでゐたら、皇太子殿下は演歌好き、といふ事が判明し、いささか興奮した。皇太子殿下はカラオケがお好きでよく歌はれるさうなのだが、レパートリーは主に演歌、『津軽海峡冬景色』『氷雨』『北国の春』などを熱唱されるさうだ。確か皇太子殿下は日本酒党、それもかなりの酒豪といふ話だが、さすが次代の天皇になられる方は違ふ、と感心した。以前、小泉首相が、X JAPAN が好き、などと、若者に媚びたやうな発言をしてゐることに対して、サブちやんが、日本の代表のやうな人がそんなことでは困る、やはり演歌を聴いてもらはないと、といつた内容の事を言つてゐて、私も全くその通りだとその時は思つたのだが、考へてみればこれは仕方のない事なのだ。首相といへども、選挙で選ばれる政治家に過ぎない。民主制下の政治家は、常に民衆の顔色を窺はざるを得ない。日本の国民の大部分が日本の魂(こころ)である演歌を忘れはて、訳の分からないものに熱狂してゐるとしたら、それに迎合した振りもしなければならないだらう。

 対して天皇といふのは世襲である。国民の顔色を窺ふ必要がない。だからこそ、戦前の國をあげて戦争に熱中してゐる時にも常に平和への希求を忘れなかつた訳だし、あの悲惨な戦争を終はらせる聖断を下すことも出来たのだ。同様に、若者の大部分が伝統を軽視し、新奇なものに熱をあげてゐる時に、さういつた若者たちに迎合することなく、伝統を守つていくことが可能なのだ。伝統とは、それなしでは我々の生がたちゆかなくなるやうな、生の基盤である。が、考への浅い若者は、伝統を軽視しがちだ。だから、考への浅い若者に迎合する現代大衆社会は、非常に危険である。我々の「演歌サバイバーズ」も、さういつた危機感に発してゐるのだ。(とはいへ、演歌を歌つてゐるだけですが)

 天皇陛下や皇太子殿下が和歌を詠まれるのは知つてゐた。しかし、演歌まで歌つてをられるとは…我々「演歌サバイバーズ」に対する大きな励ましになる。次回の「演歌サバイバーズ」も張り切つていかう。(と言つても、鍋を食べて演歌を歌つて騒ぐだけですが)

小川顕太郎 Original: 2003;