京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

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 Diary 2003・2月9日(SUN.)

「オパール
ヒップホップ批評」
の謎

 先日ショウヘイくんが夜中に、なにげなくテレビをつけると、画面に「オパール ヒップホップ批評」といふ文字が出てゐて、ドレッド頭の黒人が関西弁で「ミッシーやせたやろ」などと喋つてゐたさうだ。な、なんだ、それは? KBS 京都の番組だつたらしいが、それなら京都ローカルの番組だらうか? しかし、京都で「オパール」と言へば、うちのことではないか。さらに、「ヒップホップ」がつくのなら、なほさらうちのことではないか。何故そのやうな勝手なことをしてゐるのか。私はショウヘイくんに調査を依頼した。

 調査結果。どうもこれは KBS 京都で毎週水曜日の晩 1 時 50 分、といふか、木曜日の朝 1 時 50 分といふべきか、からやつてゐる『ヒップポップ』といふ 30 分番組らしい。司会がその関西弁を喋る黒人で、名前を「キング・オパール」といふ。キング・オパール! な、なんといふ名前だ。そのやうな名前をつけて良いものか。いや、別にうちが「カフェ・オパール」だから、このやうに言つてゐるのではない。ブラックミュージックの世界に於いて、「キング」と名乗るのは大変なことだと聞いたことがあるからだ。私が聞いたことのある話は以下のやうなもの。

 ビートナッツといふヒップホップのグループがゐる。彼らはネタ師としても知られ、彼らのビート狂いはみなの認めるところであつた。そんな彼らであるが、実はもともと「ビートキング」と名乗つてゐたやうなのだ。なるほど、彼らならさう名乗つてもおかしくないだらう。ところが、あるとき御大アフリカ・バンバータに、お前らのやうな若造が「キング」と名乗るのは 100 年はやい! と一喝され、代わりに「ビートナッツ(ビート馬鹿)」といふ名前を貰つた、といふのだ。ことほどさやうに、「キング」と名乗るのは大変だ、と。

 まア、この話も昔友人から聞いたうろ覚へなので、少しアヤフヤなのですが。「キング」と呼ばれる黒人ミュージシャンは、パッと思ひつくだけで、B. B. キング、ベン・E ・キング、アナ・キング、ボビー・キング、キング・ブリット、キング・ティー、キング・タット……。なんだ、結構ゐるぢやないか。それほど大変ぢやないのかな、「キング」と名乗るのは。

 なんにせよ、キング・オパールには頑張つて欲しいものです。

小川顕太郎 Original: 2003;