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 Diary 2003・12月29日(MON.)

武士道

 イナバさん来店。イナバさんは某書店の洋書売り場で働いてゐるのだが、近頃は映画『ラスト サムライ』効果で、新渡戸稲造の『武士道』がバカ売れなのださうだ。もちろん、洋書が売れるのである。とはいへ、日本人は対訳附きのものを買つていくさうではあるが。みんな MOVIX の袋を持つて買ひに来るので、非常に分かりやすく、よく間違へて「えー、新渡戸稲造の『サムライ』下さい」とか言はれるらしいのだが、「はい、新渡戸稲造の『武士道』ですね」とニッコリ笑つて応対するのだといふ。

『武士道』の対訳附きの本は、何種類かあるらしいのだが、どうやらその中の一冊がテレビで紹介されたらしく、そればかりが売れて品切れを起こしてゐるのださうだ。内容に大差はなからうに、『困つたものです』とイナバさんは言ふ。確かに、困つたものです。

 ちなみに私はえらい昔に『武士道』を読みましたが、何にも覚えてゐません。なんか、チョット違ふんとちやう、と思つたことだけを、かすかに記憶してゐるぐらゐです。それにしても、『ラスト サムライ』は評判がよいやうだ。先日篆刻教室に行つた時も、若い人たちはみんな観てゐて、「感動したー」とか言つてゐるし、キタダくんなんかは、背中に「侍」と書いたTシャツまで着てゐた。『街の灯』と『ザ・フライ』以外では泣いたことがない、と普段から豪語するショウヘイくんも、珍しく泣いてしまつたさうだ。うーむ、さうなのか…。ま、私もいちおう楽しめたんですけどね。でも、複雑な気持ちだ。

 本日もそこそこ忙しい。年末です。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-31;