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 Diary 2003・12月24日(WED.)

台所にて

 インターネットなら何でも安くで手に入る。といふのは大袈裟だが、モノによつては安くで手に入るのは事実。私は先日、アメリカからスエットパンツを安くで購入した。サイズは S 。が、アメリカ人のサイズはでかいのか、ガバガバである。このスエットパンツは腰にゴムが入つてゐるタイプではなく、紐が入つてゐて締めて穿くやうになつてゐる。穿きにくい。失敗だつたか、と些か後悔したものの、それはインターネットで現物を見ずに買ふことに付きもののリスクなので仕方がない、諦めてそれを穿き、料理を作つてゐた。すると、何かの拍子で紐が緩んでしまい、パンツがスルッと落ちてしまつた。と、同時に、私の背後でトモコがコーヒーを吹き出す音が聞こえた。…外で穿いてなくてホントに良かつたと、私は思つた。

 紐を締め直して、料理を再開する。我が家のキッチンは狭い。ヤカンや鍋をいちいち色んな処に移動させて場所を作りながら料理をしなければならないので、非常に面倒くさい。今日も、お湯の入つたヤカンをどこに置くかで迷い、とりあへずゴミ箱の上に置いた。我が家のゴミ箱はフタがついてゐるので、上に置けるのである。で、洗つた野菜を俎の上に並べてゐると、スエットパンツの裾を踏んでしまつた。丈まで長いのだ、このパンツは。そのまま一歩だけよろける。運悪く、ゴミ箱のフタをあげるペダルを踏んでしまう。当然のごとくゴミ箱のフタは跳ね上がり、ヤカンは高々と宙に舞ひ、お湯は台所内の各所に飛び散つた。茫然と一連の事態を見守る私。スルッと、パンツが擦り落ちる。……

 腹が立つので、スエットパンツで床のお湯を拭いてやつた。

 今日はクリスマス・イブであつた。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-26;