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 Diary 2003・4月30日(WED.)

KNW

 可能涼介来店。「予期せぬ金が入つたので、夕飯でも奢るよ。今から何か食べに行かない?」と言ふ。しかし、私は仕事があるのだ。断ると、可能はノガミくんに電話をかけてオパールに呼び出した。ちようど要石について可能と喋つてゐる所にノガミくんが来たので、要石について、ノガミくんに説明する。

「ああ? 石? さういへば、ボクの友だちで O くんて言ふ人がゐるんやけど、彼は民俗学的なことや宗教全般に凄く詳しいで。」

石清水八幡宮で、5 月 4 日に祭があるんだよ。蝋燭を凄くたくさん、ガーっと並べるらしい。行かない?」

「それで 20 代の頃、ボクはコンテナっていふクラブでバイトしてたんやけど、まあ、一晩中下らない話をして、酒飲んで、ウエーってなつて、で、朝になつたらみんなで神社に行くんや」

「さうか、仕事があるからダメか。残念だなあ。蝋燭がバーッとあるらしいんだよ。凄さうなんだが」

「で、O くんが言ふには、神社のものは自由に持つて帰つていい、らしいねん。で、お賽銭箱の前にある、あのジャラジャラ鳴らす鐘と綱を持つて帰つて、コンテナの DJ ブースのところに下げたりしてたんや」

「蝋燭がダーッと、なに? これ? っていふくらゐ、あるらしいんだよなあ」

「O くんなら、要石のことを知つてゐるかもしれない」

「さういへば、この間、京大の芥川賞作家に会つたよ。名前なんだつけ? 最近、『高瀬川』といふ本を出したらしいぢやない。何故か、向こうはオレの名前を知つてゐたよ」

 ……きみら、ちつとも話が噛み合つてゐないやん! とても会話とは呼べない。…そこへ、オパールでの仕事を終へたワダくんが、帰ろうと二人に挨拶すると、「あ、ちょ、ちょ、ちょつと、私が奢りますんで、今から一緒に飲みに行きません?」

「さうや、さうや、オレら二人で飲みに行つても、いーつも、何も喋らんと、黙つてゐるねん。辛いねん。一緒に行こ」

 と、二人に誘はれた。確かに、こんな会話(それが会話と呼べるとしてだが)ぢや、そんなに長く続く訳がない。直に、黙り込みあふことになるのだらう。結局、ワダくんは二人に連れ去られてしまつた。

 東京からササキデリックさんが、マキさんに連れられて来店。ここでも、小説『高瀬川』のことが話に出た。なんでも、友人が……。

 平日とはいへ、ゴールデンウィークのおかげで、いつもより少々忙しい一日だつた。

小川顕太郎 Original:2003-May-2;