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 Diary 2003・4月17日(THU.)

カンテ/
通り抜け/
スクラッチ

 カンテ・グランテ中津本店に行く。カンテ・グランテは、大阪では有名なチャイショップであり、何店も支店を出し、関連ショップも多い。とはいへ、私(とトモコ)にとつて、カンテ・グランテと言へば梅田・泉の広場店であり、せいぜいマルビル地下店(トータス松本がゐたのはここか)である。泉の広場店には、高校生の時から行つてゐたので、もう 15 年以上もカンテとは付き合つてゐることになるが、中津本店に行くのは、今日が初めてだ。案の定、路に迷ひ、警察で場所をきき、「ああ、カンテね」と尋ねられ慣れしてゐるやうな警察の人に場所を教へて貰ひ、本店に着いた時は感無量であつた。どでかいマンションの地下に、カンテの本店はあつた。確か、自分の庭をオープンカフェにしたのがカンテの始まりだつたはずだから、このマンションは…。なるほど。贅沢に空間を使つた店内は、羨ましいの一言。「隣のお客様の迷惑になるので、店内でのお化粧直しは厳禁いたします」といふ内容の貼り紙に感心する。また、「京都では 10000 円、カンテでは 3500 円」と書いて売つてゐる籠にも感嘆。良い時間を過ごした。

 造幣局の桜の通り抜けに行く。平日とはいへ、最終日なので、そこそこ混み合つてゐる。今年、花見はこれで 3 度目だが、そのたびに思ふのが、今や携帯電話についてゐるカメラで写真を撮つてゐる人が非常に多い、といふこと。携帯電話で桜を撮つてゐるさまは、いまだ少し慣れない、違和感を残すが、ま、いいか、といふ感じ。ちなみに今年の桜は「関山」。でも、個人的にはやはり「楊貴妃」、トモコ的には「普賢象」がオススメ、であつた。

 みなみ会館にて、映画『スクラッチ(ダグ・プレイ監督、2001 年)を観る。ヒップホップの 4 大要素(DJ、MC、ダンス、グラフティ)のうち、DJ に焦点をあてて撮られたドキュメンタリーフィルムだ。ヒップホップの DJ の世界は、ドンドンと進化を遂げて、「ターンテーブリズム」と呼ばれるやうになつてからは、はつきり言つて別世界、と言つてもよいやうな所までいつてゐる。私も、正直言つて、DJ シャドウや DJ クラッシュなど、トリップホップと言はれてゐたぐらゐまでは付いていつたけれど、最近は全くついていけてなかつた。それでも、ターンテーブリストの世界大会で、昨年 DJ ケンタロウが、日本人で初の優勝に輝いた、といふ情報ぐらゐは入つていて、いささか興味を持ち直してゐたところではあつたのだ。

 さて、この映画、実はそのやうな事情をすっ飛ばしても、非常に興味深いものだつた。ヒップホップといふカルチャーが、いかに革新的であり、現代においても重要なものであるか、が、浮き上がつてくる。その創世記から、世界を作り上げてきた人々の数々の証言は、言葉通り感動的で、私は何度も胸を熱くした。素晴らしい。ヒップホップファンならずとも、全ての人にオススメしたい作品。チェケラー。

小川顕太郎 Original:2003-Apr-18;