京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > Diary > 03 > 0405
 Diary 2003・4月5日(SAT.)

精神障害

 イワサキくん来店。「お久しぶりです。やつと、働く所が見つかつたので、顔を見せに来ました。」と言ふ。イワサキくんは、精神障害者の人たちが働く作業所で、それを補助する仕事に就いたのださうだ。

「でもね、大変なんですよ、周りの住民との摩擦とか。なんていふか、精神障害者と精神障害犯罪者を混同してゐるんですね。子供たちの通学路を変へるとか、立ち退きを迫るとか、色々とね、危ない、とか言つて」

 なるほど。確かに、精神障害者と精神障害犯罪者の混同、といふのは、よくあることだよね。中でも一番酷いのは、やはり人権派と呼ばれるサヨクの人たちだらうな。住民の人たちは、精神障害者を全て精神障害犯罪者と見なした訳だけど、人権派の人たちは、精神障害犯罪者を全て単なる精神障害者とみなす。おかげで日本は精神障害犯罪者天国だからね、酷いもんだよ。たとへ人を殺めても、精神障害だと判断されれば無罪になる。それどころか、覚醒剤を打つたり、酒を飲んだりして犯罪をおかせば、それで無罪になるんだからね。正義なんてありゃしない。せめて保安処分制度でも早急に取り入れるべきだと思ふんだけれどね。

「保安処分、って何でしたつけ?」

 ええと、確か、正確には刑事治療処遇制度に予防拘禁が加はつたもの、だつたかな? よく覚えてゐないけれど、まあ、私が言ひたいのは、罪を犯した者が精神障害だと判断を下され、そのことによつて罪を問へないとしても、せめてきちんと病院に収容すべきだ、と言ふこと。現行では、病院に入れても、それは責任を伴はないから形だけで、すぐに出しちやうからね。で、たとへば殺人を犯した精神障害犯罪者が、病院を出た途端にその場でまた人を殺したりして、とかいふパターンが凄く多いらしい。精神障害犯罪者の再犯率は異常に高いらしいし。

「さうですか…難しいもんですねえ。…」

「そんな事より、イワサキくん、どうしたのよ、そのビーニー」

「あ、トモコさん、お久しぶりです。…え? ビーニー? 何ですか、それ?」

「イワサキくんが頭に被つてゐるやつよ」

「ああ、この帽子ですか。これ、ビーニーっていふんですか。…いや、これ、3 年前ぐらゐ前から被つてますよ。変ですか」

「変といふか…」

「ボクねえ、これ被つてゐると、水泳帽とか給食のをばちやんとか言はれて、辛いんですわ」

「あはは、それは、イワサキくんがちやんとヒップホップの格好をしないからよ。ビーニーを被つたら、ヒップホップできめないと」

「ヒップホップ! うわー、ボク嫌なんですよ、あのバンダナ巻いたり、帽子を斜めに被つたり、ダブダブの服を着たり、…ああいふのを見ると、イー!! ってなるんですよ。」

「はあ…‥ダメね、イワサキくんて…それぢや、一生もてないわ」

「ええ!? さうなんですか?」

 …あの、私の話はどうなつたんでせうか?

小川顕太郎 Original:2003-Apr-7;