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 Diary 2002・9月30日(MON.)

キング・オブ・コメディ

 ビデオで『キング・オブ・コメディ』(スパイク・リー監督)を観る。これは、スティーヴ・ハーヴェイ、D・L・ヒューリー、セドリック・ジ・エンタテイナー、バーニー・マックの 4 人のコメディアンが行なった舞台の様子を収めたドキュメンタリー作品である。私はこの 4 人を誰も知らない。バーニー・マックは色んな映画にも出演している有名人らしいが、それも知らない。さらに私は、アメリカの事情が全く分かっていない日本人なので、ほんとうに面白さが分かるだろうか? といささか不安だったのだが、これは杞憂であった。もう、メチャメチャ笑った。自分でも、笑いすぎちゃうか? と不安になるくらい笑った。これは、強力にお薦め作品である。

 とはいうものの、万人に勧められるかどうかは疑問。まず人種差別ネタ、下ネタが圧倒的に多い。基本的に 4 人が次々と舞台に出てきて、各自が一人で巨大な劇場を埋め尽くす観客に対峙して喋る、というスタイルなのだが、この観客のほとんどが黒人である。が、中には白人もいる。そして、その白人を、みんなイジるのだ。

「今日は早めに来ただろう? 早く来ないと黒人に席をとられるもんなあ、黒人は空いてる席に勝手に座るから」といった具合。

 個人的には、人種差別ネタは猛烈に面白かったが、笑えない人もいるかもしれない。ある程度、黒人(アフリカン・アメリカン)のことが分かっている方が笑えるのは事実だろう。また、音楽ネタが多かったのも、嬉しかった。今時のヒップホップを揶揄し、「オールドスクールを聴けー!」と叫んで、JB や EW&F をかけまくる。テンプスを思わせる 60 年代のノーザンソウルグループの物真似をする。最高だ。

 とにかく、ある程度ソウルミュージックに親しんでいたり、スパイク・リーなどのブラックムービーを観ている人なら、楽しめると思う。芸としては、圧巻なのだろう。だって、日本人である私とトモコが死ぬほど笑ったのだから。もちろん当の劇場にいる観客も、こちらが突っ込みたくなるくらい大受け。熱狂していた。それを見るのもまた面白い。

 うーん、笑いすぎて、頭がボーっとする。

小川顕太郎 Original:2002-Sep-1;