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 Diary 2002・9月24日(TUE.)

愚か者よ

 夜になって目覚め、慌てて店に行く。連休明けの店は暇であった。が、カウンターではマツヤマさん、フクイくん、ウチカドさんの 3 人が気炎をあげていた。

「ボクねえ、映画のこと、ほんとーに、まったく分からないんですよ。キャメロン・ディアスが男か女か、という事も知らないんですから。見たことないし。」とウチカドさん。

「男だよ。」

「ああー! もう、言わんといて下さいよー! 知らないままでいたかったのにー。…まあ、うすうす男だとは思っていましたけどね、でも…。」

「だって、キャメロンだもん。」

「そうですよねえ、キャメロンですからねえ、男だろうなあ、とは思っていましたが…そうか、男か…。」

 といった具合。

 そういえばウチカドさんは、ジェットセットのサイトで連載していた日記を辞めたのだという。書き始めた時から波乱含み、数々の抗議を受けたり、多くの知人を失いながらも、それでもなんとか書き継いできたのだが、この間のワールドカップの時に、少しばかりワールドカップブーム批判(非難?)をしたところ、またまた多くの抗議が寄せられ、大荒れ。さすがに疲れ果ててしまい、それを機に書くのを止めたそうだ。

 うーん、これは他人事ではない。世の中には色んな人がいる。こちらが思いもしなかったような所に引っかかったり、想像を絶するような誤解をして怒る人達がいる。それは防ぎようがない事だ。で、その人達がちゃんと抗議をしてきてくれれば、こちらとしても対応のしようがあるのだが、必ずしもそういう人達ばかりではない。中には非常に陰険な書き込みをしたり、サイトを荒らしたり、各所で悪口を言いふらしたりする人もいる。しかし、これも仕方のない事なのだ。

 ところで、実はこれが最大の問題なのだが、ウチカドさんも私も、別に文章で食べているプロではない。文章を書くことによって、そこまで各自の店のお客さんが増えて売り上げが上がっているとは思えない。ところが、マイナス効果の方はきっちりあったりするから、困ったものなのだ。私もその昔、「京都系」という言葉をおちょくった文章を何本か書いた事があるが、そうしたら、(多分)自ら京都系を自認していた人々が、本当に来なくなってしまった事があった。あの時はショックだった。

 それ以来、私は商売の邪魔にならないよう、自分なりに配慮して日記を書いているつもりだが、それでも、摩擦を避けることは絶対に不可能だ。例えどんな事を書いても、それに引っかかる人はいる。だから、商売上はこんな日記など書かない方がベターだと思う。お客さんにはある程度の幻想を持ってもらう方が、商売上は有利なのだ。そういった事から言って、ウチカドさんの選択は正しかったと思う。では、なぜ私は日記を辞めないのか? それは、まあ、愚かなんでしょうな。ああ、愚か、愚か。

 今日もまた、愚か者が日記を書きました。

小川顕太郎 Original:2002-Sep-26;