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 Diary 2002・11月12日(TUE.)

日本の
スキンズたち

 コータローくん来店。コータローくんがタイに行った時、向こうのマクドナルドで「サムラーイ」というメニューがあり、どうやらこれが(発売されたばかりで)大人気らしく、みんな「サムラーイ」を注文しているので、コータローくんも思わず注文して食べてみたら、ただのテリヤキバーガーだったという。この話をした後、「じゃ、今から有志による『新風館大ボーリング大会』なんで」と、貸し切りのラウンド 1 へと去っていった。うーん、サムラーイ。

 先日、01 くんが送ってくれた、「日本のスキンズたち」という CD を聴く。これは 01 くんが編集して CDR におとしたもので、題名のごとく、様々な日本のスキンズのバンドの曲がはいっている。ちなみにスキンズとは、頭をつるっぱげに剃った(ここからスキンズと呼ぶ)極右の若者集団のことだ。なぜ髪の毛を剃っているかというと、これは要するにアンチ・ヒッピー(左翼)という意味。ヒッピーが、自由の象徴として長髪にするのに対し、規律の象徴として髪の毛をそり落とす。ネオ・ナチとかフーリガンとか。『凶気の桜』で窪塚洋介が頭を剃っていたのも、まあそういう訳だろう。『凶気の桜』では、音楽としてヒップホップが選ばれている。が、スキンズの音楽はロックだ。いや、ロックというか、B 級ハードコアロックというか、音楽ジャンルとしては、oi と呼ばれるもの(少なくとも私はそう呼んでいたのだが、oi が本当にジャンルを指す名前なのかは、ちょっと怪しい。すまん)。世界的に有名な oi バンドとしては、私も大好きだった「SHAM69」が居る(居た)が、彼らはスキンズではない。しかし、ファンは圧倒的にスキンズ。まあ、そんな感じの関係だ。

 で、このコンピに収められた曲だが、まさに oi! 日本語で歌われた oi だ。いや、私も昔から日本にも oi バンドがいることは知っていたが、わざわざ聴こうとは思わなかった。だって、oi って単純でワンパターンなんですもの(SHAM69 は別格)。で、実際に聴いた感想は…面白い! 今や完全にソウル耳になって、ロックにはほとんど拒否反応が起きるくらいの私だが、これら oi には、そういった拒否反応が起きない。いいじゃない、と思う。ロックはイヤだが、スラッシュメタルはそんなにイヤじゃない、という感覚に似ている。ある意味、これら oi やスラッシュメタルは「黒い」のだ。

 歌詞も、「愛国者は山桜 人知れず咲き 消えゆく〜魂なきやつらに鉄槌!」(『愛国者賦』鐵槌)とか、「われらが祖国・日本 誇りある日の丸よ〜ばんざい日本!」(『日の丸』 STRONG STYLE)など、かなり良い。実は『鬼系』と呼ばれる(古い?)日本語ラップも、似たような右翼的・マッチョな歌詞をラップしたりする。これは黒人が、マッチョイズムや民族の誇り(ブラックとしての誇り)をラップするのを真似ているのだろうが、どうにも物真似感・作り物感が消えない、と私には感じられる。これらに較べると、これら oi の曲は、そんな作り物感がない。ユーモアも感じられるし。この差はなんだろう? かなり興味深いことではある。

 私は自分ではこんな曲を聴くことはなかっただろう。しかし、聴いてよかった。01 くんに感謝する。どうも有り難う。

 では、一緒に歌いますか。

「米と味噌汁ながしこみ 今日も生き抜く力を蓄える!」(『此の朝、一度』猿臂)

小川顕太郎 Original:2002-Nov-14;