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 Diary 2002・11月6日(WED.)

トリックスター
来店

 トリックスター来店。と書いても、ノーザンソウルに興味のない方にはさっぱり分からないだろう。トリックスターとは、もちろん綽名だけれど、スタジオヴォイス 1998 年 2 月号ノーザンソウル特集号で、表紙に写っていた人のことだ。ダンサーであり、スタジオヴォイスの同号には、トリックスターが踊りまくる姿が何枚も収めてある。その彼が、タクヤくん、ナカムラくん、トリックスターの彼女、とともに来店したのだ。ところで、このトリックスターの彼女だが、「覚えてますかー?」という声をかけられてよく見れば、なんとエッちゃん! 昔からの知り合いではないか。な、なんでや? 世界が狭すぎへんか、とビックリしたのであった。

 そもそもケブにしろ、ブッチにしろ、ローディールにしろ、このトリックスターにしろ、なんでノーザンソウル関係者には、日本人を妻やガールフレンドにしている人が多いのか。…それは、実は簡単なことで、日本人を伴侶にしているノーザンソウル関係者が、ツテを介して日本に紹介されるからだ。と私は思う。前記のスタジオヴォイスなんかは多分典型で、かなり偏ったイギリスのノーザンソウルシーン像が紹介されているのではないか。(かといって、私は前記のスタジオヴォイスの特集を貶しているのではない。この特集は以前に例をみない画期的なものであり、素晴らしいと思っている。念のため)

 例えば、前記のスタジオヴォイスでは、70 年代のトップ DJ はリチャード・シーリング、80 年代はケブ・ダージ、90 年代はブッチ、ということになっているが、イギリスで出された『The Northern Soul Top 500』という本では、必ずしもそうはなっていない。もちろんこれは、どちらが正しいという問題ではない。ただ、どうしたって情報は偏って入ってくる、という事だ。その事に自覚的でありたい、と。ちなみに、私はドイツのノーザンソウルシーンについて、ネットでちょっと知る機会があったのだけれど、ドイツのノーザン系イベントには、我々の知らない(日本に紹介されていない)、だけど『The Northern Soul Top 500』には出てくる DJ の人達が、ゲストでよく来ているようだった。まあ、イギリスとドイツの音楽シーンは、ビートルズの頃から親密だからね。

 たとえ偏った情報しか入っていないとしても、実はそのことはそれほど問題ではない。そこからどのような花を咲かせることができるか、が問題なのだ。私の感じでは、最近の日本のノーザンソウルシーンは、ひとつの節目に来ているような気がする。さあ、これからどうなるか。11 月 8 日金曜日は年内最後のソウルサバイバーズ。もしよければみなさん、お越し下さい。

小川顕太郎 Original:2002-Nov-8;