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 Diary 2002・11月2日(SAT.)

可能涼介、
大西巨人宅を訪ねる2

 昨日に続き、可能の電話で起こされる。大西巨人宅訪問の顛末を聞く。

 大西巨人宅は、小さく質素ながらも一軒家で、つつましい中にも凛としたものを感じさせる、気持ちの良い家だったそうだ。奥さんが、お茶とケーキでもてなしてくれたらしいのだが、そのお茶はエスプレッソだったという。

 大西巨人は、想像していたような怖い人ではなく、とても紳士的で、話も弾んだ。可能が「大西さんの影響で、私も道元の『この心あながちに切なるもの、とげずと云ふことなき也』を、自らの座右の銘にしています」と言うと、おもむろに書斎に引っ込み、自らの手で(確か毛筆で)道元の同じ言葉を紙に書き付けて額にいれたものを持ってきて、見せてくれた。大西巨人も、この言葉を書斎に飾り、それを見ながら執筆しているのだ。

 自作で気に入っているものを尋ねると、1986 年 11 月に脱稿した『村の石屋』(『二十一世紀前夜祭』収録)をあげ、「これはなんとか、『掌の小説』レベルに達したかと思うとるんじゃ」と言ったという。

 とにかく可能は電話口の向こうで感無量の様子で、「いやー、生きている間に会えて良かったよ。ほんと長生きはするもんだ。って、この場合、長生きしてくれたのは大西さんの方だけれど」と呟いた。

 そういえば、先日、Run-DMC のジャム・マスター・ジェイが、レコーディングスタジオで射殺された。私のように、一度でも靴紐を抜いたアディダスを履いた事があるものには、かなりショックなニュースだった。続報がないので、いったいどういう事情なのか、さっぱり分からない。最近の Run-DMC は聴いていなかったので、特に記すこともない。が、ショウヘイくんが Run-DMC の存在を知らなかったのは軽い驚きだった。『WALK THIS WAY』を知らない? あの大ヒット曲を? マイケルの『スリラー』より後に出たヒット曲なんだけどなあ。

 鎮魂として、Run-DMC のセカンドアルバム『KING OF ROCK』を聴く。これは彼らのアルバムの中では評判の悪いものだが、今やこれしか手元にないもんで。合掌。

小川顕太郎 Original:2002-Nov-4;