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 Diary 2002・6月13日(THU.)

矢川澄子

 先月の 29 日に、矢川澄子が自殺していたと知り、激しくショックを受けた。71 歳だったという。何故自殺をしたのか、どのようにしたのか、最近の彼女はどうであったのか、などという詳細が一切分からず、ただ困惑するのみだ。

 矢川澄子は詩人であり、小説家であり、翻訳家であり、そして澁澤龍彦の最初の奥さんだった。澁澤と別れたあとは、谷川雁のもとに行っている。私は彼女の作品も好きだったが、人間も好きだった。澁澤と共に写真に写っている若い頃の彼女はとても美人だし、彼女に関する逸話、彼女自身が綴ったエッセイから推し量れる人間としての彼女は、とても魅力的だった。何年か前に、澁澤がフェミニスト達から家父長的で男尊女卑の考えを持った奴として槍玉にあげられた時に、なんとか澁澤の悪口を言わそうとするインタビュアー達(小倉千加子とか池田理代子とかだったかな?)に対して、決して澁澤の悪口を言わない矢川澄子の姿に(実際、彼女は澁澤に酷い目にあっているのに)、私はほとんど畏敬の念を抱いたものだ。それほど聡明で、強い彼女が、なぜ自殺などしたのか。私はただ困惑するばかりだ。


 本日オパールでテレビの設置の最終チェックをしていたら、「明日の日本戦の予約はできますか?」という電話が何本か掛かってきた。予約って…。

「なに言っているんですか、店主。他のスポーツバーとかは、たいてい予約制ですよ。そうしないと入りきれないんですよ。」

「そうそう、それで客が暴れて、放送を中止したところも出てきています。」

 えっ…・やだなあ、それ。みなさん、試合はマナーを守って見ましょう。

小川顕太郎 Original:2002-Jun-15;