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 Diary 2002・6月10日(MON.)

少林サッカー

 MOVIX 京都に『少林サッカー』を観に行く。ババさんが 95 点という高得点をつけて絶賛したということもあり、オパール周辺では(世間でも?)かなり話題になっていた映画だ。そういう映画だから、私のところにもなんとなく前情報は入ってきていて、だいたいどのような映画なのかは予想がついていた。

 で、言ってみればその予想通りの映画だったのだけれど、ババさんが指摘したごとく、これは日本の少年マンガの影響を大いに被った映画で、つまり日本の(良質な)少年マンガといっしょ。どういう事かと言うと、話はベタで予想通りの展開をみせるのだが、もおおおおう、グングンと引きつけられるんですね。笑いながらも、思わず力が入るシーン満載で、ラストは感動と爽快感で涙を流してしまう。そして、オレも明日から少林寺を習おう!! と、一日と持たない決意に拳を固めるのです。

 私が感心したのは、少林寺に対する愛と、それをなんとか現代(西欧的価値観に支配された世界)に復権させたいと願う、映画の姿勢だ。それは必然的に現代社会に対する批判になるし、アメリカという国への闘争となる(ちゃんとそれを暗喩するシーンがある)

 主人公達は、幼い頃に学校にも行かず少林寺の修行に打ち込んだので、現在は酷い目にあっている。学歴がないのでまともな職につけず、現代に迎合していない(できない)ので、「ダサー。かっこわるー」と馬鹿にされている。そういう彼等が誇りを取り戻し、世の中に自分達を認めさせていくさまは、圧倒的に感動的だ。これに感動できない奴とは話ができないね。東洋人としての誇りを捨てた、白人ワナビーだ。せいぜい白人になれるよう、努力してなさい。

 ところで日本でも、同様な映画が撮れないものかねえ。チャンバラの素晴らしさを訴えた「チャンバラ・サッカー」とか、丁髷のかっこよさの復権を狙った「チョンマゲ・サッカー」とか。他にも「俳句サッカー」「書道サッカー」「演歌サッカー」「カミカゼ・サッカー」「ハラキリ・サッカー」…いくらでもネタはあるじゃないか! 誰か撮ってくれませんか。

小川顕太郎 Original:2002-Jun-12;