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 Diary 2002・7月29日(MON.)

弁護士

 ビルに関する競売のことで、家主のたてた弁護士の所に、他の店舗の人達と話をしにいく。場所は K 都総合法律事務所。相手は S 間昌一郎という名前の弁護士、のはずだったのだが、本人は都合がつかないという事で、F 岡 K 司という名前の事務局次長の方と話をすることになる。

 この人がまあ、とんでもない感じの方だった。私はまるで「みのもんた」みたいな人だな、と感じた。顔が多少似ているという事もあるが、相手を無視して強引に押してくるそのやりかたが、「みのもんた」を思い起こさせたのだ。

 まず我々が一番の懸案である保証金の事を切り出すと、いきなり「心配せんでも保証金は返ってくるよ」とかまして我々の言葉をさえぎった。しかし、それでは我々の調べたことと違う。こちらも、何人かの弁護士の人と相談し、独自に調べて、このままでは保証金が返ってこない確率が高い、という結論に達しているのだ。その事を述べようとすると、「それ誰? そんないい加減な事を言っているの、どこのどいつ? なんて言う法律事務所のなんていう弁護士?」と、口調を変えて凄んでくるのだ。うーん、私は思わず『カバチタレ!』を頭に思い浮かべた。

 そこで私が、とにかくキチッと説明して確認をとろうと、「契約更新が終わった後、つまり賃貸権が切れた後に競落された場合、新家主に対しては賃貸権は対抗できない、と我々の調べた範囲ではなっているんですが…」と切り出すと、競売について、ブワーっと説明を始め、結局、説明が終わる頃には、私の質問に対する答えはどこかにいっていた。そうなのだ。こういうやり口なのだ。とにかく色々と饒舌に喋るのだが、我々の出す質問に対して、決して真っ向から答えようとしない。我々のような法律の素人を、煙に巻こうとしているとしか思えない。現に、我々が F 岡さんの持ってきた法律の本を読もうとすると、「それはプロの読むもんだから、あんたらみたいな素人が読んでも分からへんで」と言う。

 こちらが業を煮やして、「じゃあ、もし保証金が戻ってこなかったら、あなたは責任を負えるのか」といった内容の事を問えば、突然怒り出して、「なんで私があんたらに責任を負わなあかんのや! 私の依頼人は家主の方や、あんたらと違う! 私が責任を負うのは依頼人に対してや! 勘違いせんといてや!」と大声でまくしたてるのだ。まあ、理屈から言えばそりゃそうだけど、さ、そういう態度って、著しく誠実さに欠けないか? まあ、依頼人の利益を守るのが弁護士の誠実さであって、依頼人の利益に敵対(?)する人達に対しては、徹底的に不誠実であるのが、よい弁護士なのかもしれませんがね。

 とにかく、最終的には、この事務局次長さんは、我々に対して最初から不誠実であった事が判明する。結局、保証金は返ってこないのだ。賃貸権が切れた後に競落されたとしたら。そこまで我々は彼に認めさせたのだが、彼は「それはあくまで特殊なケースであって、基本は保証金は戻るもんなんや。だいたい、そんな特殊なケースに当てはまる人なんて、あなたたちの中に居るの?」と言うので、ひとりの人が「だから、それはボクですって! ボクはもう賃貸権が切れるんですって、言ってるじゃないですか!」と言えば、「ああ、そう。それはお気の毒さま」ときた。お前なあー。

 もちろん、なかなかビルが売れず、競落の時期が遅くなればなるほど、我々とてその間に賃貸権が切れれば、新家主に対抗できなくなる(権利を主張できなくなる・保証金は返ってこない)のだ。しかし、そんな事は分かっていた。分かっていた事を、確認しただけだ。うーん、時間の無駄だったか? いやいや、そんな事はない。少しは得るところもあった。対抗する弁護士と話すのはどんなもんか? とか。

 帰り道でフクイくんに遭遇。そのままカフェ・コチに行ってお茶をする。商売の話と旭の話と演歌の話と。むーん、商売の道は厳しい。

小川顕太郎 Original:2002-Jul-31;