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 Diary 2002・7月22日(MON.)

別にいいじゃないか

 母親から電話がある。仕事中にかかってくる母親からの電話というのが、またいつも下らないものなんだけれど、今日のはいつもに輪を掛けて訳が分からないものだった。それは「雑誌『ミーツ』の京都特集にあんたの店が載っていない!」という怒り(?)の電話だったのだ。

 なんで怒っているのか? 察するに、どうやら雑誌まるごと一冊の京都特集に載っていないということは、オパールがちゃんと仕事(営業?)をしていないという事だと思い、どういうこと! と怒っているようなのだ。うーん。母親は普段、情報誌なんて読まないだろうから分からないと思うが、雑誌に載る・載らないと、店の善し悪しは関係ない。例えば雑誌が「京都のうまい店ベスト 100」とかいう特集をやったとして、ほんとうにおいしい店がそこから何店も漏れていたり、箸にも棒にもかからない店がたくさん載っていたりするのは、当たり前だ。それは自分の足で街を遊び歩いている人間にとっては、常識だろう。情報誌には情報誌なりの事情があるので、どうしてもそうなってしまうのは仕方がない事なのだ。

 また、「ミーツ」という雑誌は、特に強く主張を打ち出している雑誌であり、その載せている情報の偏り具合は一風変わっている、というのも、雑誌を読む人間のあいだでは常識だ。それも、どうしたって「中立」色を打ち出さざるを得ない情報誌という媒体で、他誌とは違った特色を出そうという「ミーツ」の意気込みの現れなので、仕方がないことなのだ。「ミーツ」流のスタイルというか。

 だから「ミーツ」の京都特集に載らなかったからといって、別に騒ぐこともないのだが、母親にはそこらへんがよく分かっていない。しかし、そもそもなんで「ミーツ」なんだ? と考えて、思い当たる事があった。内田樹氏のことだ。

 内田樹氏は、最近つぎつぎと著書を出している、売れっ子大学教授(助教授だったかな?)だが、実は私の妹の大学時代のゼミの先生でもある。で、なぜか妹の卒業後も親しく付き合い、果ては家族ぐるみ(?)の付き合いまである人なのだ(といっても、私は 5 、6 回しか会ったことがないが)。その内田樹氏が、どうやら「ミーツ」で連載を持っているらしく、それで母親は「ミーツ」なんか読んだのだろう。こんなところで繋がりがあるとは‥‥まったく難儀な話だ。

 しかし、実を言えば、オパールは今、情報誌のトレンドからは外れている。つまり、「ミーツ」以外の情報誌の京都特集にも、オパールは載っていないのだ。でも、別にいいじゃないか。トレンドっていうのはあるもんなんだよ。オパールも、毎週のように何誌もの情報誌に載っていた時期があった。今は時々しか載らない。それでいいじゃないか。情報誌の世界には情報誌のトレンドがある。そのトレンドに乗る人もいて、乗らない人もいて、そもそも情報誌なんか読まない人もいる。そういった人達すべてを相手にして、こちらは商売をやっている訳です。頼むから、訳の分からないことで怒らないでほしい。

 …うーむ、にしても今日は暇だったなあ。やはり雑誌のトレンドから外れているから? と、弱気になったりして。

小川顕太郎 Original:2002-Jul-24;