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 Diary 2002・7月11日(THU.)

MIB2

 MOVIX にて『MIB2』を観る。『メン・イン・ブラック』は 1 作目も面白かったが、2 作目である『MIB2』は、1 作目を上回る面白さ! と、単純に言い切っていいものかどうか。この 2 作目は、あきらかに 1 作目を踏まえた上でのネタが多く、独立した作品としては 1 作目より面白いのかどうか、ちょっと分からないし、分かるはずもない。だから私の印象としては、1 作目と 2 作目、ではなく、1 作目と 1 作目+ 2 作目、というもので、1 作目より 1 作目+ 2 作目の方が面白い! と言っているようなものなのだ。で、まあ、要するに、おもしろかったのです。

 ところで MIB とは何か。というと、これは UFO マニアの世界で語られる、円盤情報を世間から隠蔽しようとしている政府によって雇われた全身黒ずくめの男たち、ということになるだろうか。実際この映画も、そういった認識の下に作られている。が、実際に UFO の世界で語られている MIB は、ちょっと違う。まず典型的な MIB 像としては、全身黒ずくめなのはもちろんとして、風貌は東洋人風で 3 人組、という事になっている。決して映画のように黒人と白人のコンビ、という訳ではない。それに黒い旧式のキャデラックに乗っていることになっていて、最新式の車に乗っている訳ではない。まあ、しかし、これは映画なんだから、そういう細かいことはどうでもいいじゃないか、と言われるかもしれない。確かに、それはそうなのだが、実はもっとややこしい事情がある。なんと、実際にアメリカで報告された MIB 現象においては、このような UFO の世界で語られる典型的な MIB というのは存在しないのだ。

 実際の報告例では、人数はまちまちだし、必ずしも黒いスーツを着ている訳ではないし、女性がいることもあるし、黒いキャデラックに乗っている訳でもない。それよりなにより、彼等がみんな、とても人間とは思えないような奇妙な言動をしている、というのがミソなのだ。ロボットのような動きをしたり、喋り方が変だったり、会話内容も常軌を逸している。お茶や食べ物を出しても、どうやってそれらを食べたり飲んだりするのかが、分かっていなかったりする。要するに、お前ら宇宙人とちゃうんか? といった感じなのだ。実際、初期の頃は宇宙人と思われたりしていたらしいが、それがいつの間に、東洋風の全身黒ずくめの 3 人組が円盤情報を隠蔽するために円盤目撃者のもとを訪れる、という風になっていったのか? 私は UFO マニアじゃないもんで、そういった事はさっぱり分からないが、なんにせよ、この映画によって、さらに MIB のイメージが固定されるのは間違いないだろう。それによって、真の MIB 像は隠蔽される。きっとそこにはハリウッドの陰謀が…・。

 ……うわああ! 真っ黒な車が家の前に止まった!!

小川顕太郎 Original:2002-Jul-13;