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 Diary 2002・1月12日(SAT.)

ブッチ

 昨日、「明日 17 時にブーチィーズレコードで待ち合わせしましょう」とオオマサさんに言われていたのに、起きたらもう 16 時。まだ、身体に疲れが残っている。気力を振り絞って出かける。

 17 時半過ぎにブーチィーズに着くと、「クラタニ達は、ブッチとともにもうオパールに向かいましたよ」とヒラノさんに言われた。慌てて、オパールへ向かう。エレベーターの下の所で、ブッチ、オオマサさん、クラタニくん、リエちゃんに追いつき、一緒に入店。しばしオパールのソファーでくつろぎ(私も働かずに一緒にくつろぎ)、談笑する。

 なかなかに有益かつ興味深い話をブッチ & オオマサさんから聞いていると、トモコがやってきたので、みんなで夕ご飯を食べに行くことにする。「楽」という居酒屋。

 ブッチは基本的に日本食はオッケーなのだけれど、ネバネバズルズルしたものは苦手だという。納豆や卵かけご飯など。「みんな私の好物ばかりなんですよー」とオオマサさん。ブッチはお箸を上手に使って色々と食しておりました。

 そこを出て、NOILLY BAR へ。店主のノイリさんは、京都ソウル界の有名人物。ブッチとは初対面となる。とはいえ、NOILLY BAR 自体は別に SOUL BAR と銘打っている訳ではないし、そんなにソウル色を出した店ではない。が、オオマサさんに「ノーザンかけて下さいよー」と言われれば、すかさず、自らのコレクションを MD におとしたやつをかけてくれた。それをネタに、ブッチとノイリさんは(オオマサさんを介して)しばしソウル談義を。

 私も、ノイリさんとは初めてお会いしたのだが、少し、話の相手をしてもらう。ノイリさんは言う。「日本でソウルのシングル盤を買っている人って、全部で 300 人くらいじゃないかなあ。これがブルースになると、1500 人くらいになる。ボクも最初は戦前のブルースのシングルから集め始めたからねえ。日本のソウルファンは年々減っていっているような気がする。」

 カウンターでブッチの隣に座ったことから、もちろんオオマサさんを介して、ブッチとも少しく喋る。その中で興味深かった話をひとつ。

 昨日のソウルサバイバーズで、ブッチはジミー・ボ・ホーンの『I CAN'T SPEAK』をかけたのだが、この曲が大好きな私は、思わずブースにかけよってレコードをみると、なんと手書きであった。しかし確かこれは DADE から発売されているはずで、じゃあ、あの手書きは何? わざわざテストプレスかなにかをかけたのか? そうとすればイシュー盤と、何が違うのか? この疑問に対して、ブッチはこう答えた。

 あのレコードは、12 年ほど前に、誰か他の DJ がカバーアップ(レーベルを隠す。誰のなんという曲が分からないようにする)してかけていた。当時は誰もあの曲を知らなかった。ブッチは、その曲を聴いた瞬間に気に入り、絶対に手にいれてやろうと決心して、色々と調べて曲名とアーティスト名をつきとめ、なんとその 2 週間後に、アメリカからそのレコードを手に入れた。そして、自分も同じようにカバーアップして、その上からマジックペンで嘘のアーティスト名とタイトルを書いて、プレイした。あの手書きはその時の名残で、今はこの曲も有名になってしまったから意味がないんだけれど、はがすのも面倒くさいから、そのままにしてある、という。…。うーん、これが噂に聞いていた、カバーアップ & 嘘のタイトル書きか! おもしろいです。

 NOILLY BAR を出て、そこでブッチ & オオマサさんと別れる。非常に濃密、かつ楽しい 2 日間でした。またお二人に会える日を楽しみにしています。

 にしても、疲れましたー。

小川顕太郎 Original:2002-Jan-14;