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 Diary 2002・12月29日(SUN.)

上海グランド

 オオヤさんから電話。「いやー、朝も電話したんやけど、なんか、うめき声とモノを引きずるような、ズズッ、ズズッという音がして、あんまり恐いから切ってしまったわ」との事。そ、それは、寝ぼけていたのです。…すみません。

 上海に行くので、なにか上海に関係のある映画でも観ようと、先日は『太陽の帝国』を、今日は『上海グランド』を、ビデオで観る。『太陽の帝国』は、第二次世界大戦時の上海を舞台にした映画で、J. G. バラードの自伝をスピルバーグが映画化したもの。日本に落とされた原爆が上海から見えるシーンが、公開当時に話題になっていたのを、なんとなく憶えている。主人公は少年であり、日本軍占領下の捕虜収容所で、逞しく生きていく様子が、いささかドリーミングに描かれる。なかなか面白い。日本人の役者では、ガッツ石松や伊武雅刀が出演しているのだが、それにしても、ガッツ石松って、よく外国の映画に出ているなあ。もしかして、外人のイメージする典型的な日本人って、ガッツ石松みたいな顔なのかなあ、と考える。

 今日観た『上海グランド』は、1930 年代の上海が舞台の、フィルムノワール。『上海灘』という(中国で?)人気のあったテレビ番組の映画化らしく、通俗を極めたような作品。やたら大袈裟で派手な展開があるが、凄く退屈、というしろもの。主役はレスリー・チャンとアンディ・ラウ。まあ、話は面白くなかったとはいえ、部分的に興味深いところはあった。例えば上海の街並み。映画『風と共に去りぬ』が公開していること。確か、『太陽の帝国』でも、『風と共に去りぬ』のでかい看板が街角にあった。当時の上海で超ロングヒットでも記録していたのだろうか。

 人々の感情表現、特に他人をバカにする時の表現が、えげつないこと。例えば、「お前は臭いんだよ!」と言いながら、5 ,6 人で嘲りながら香水を振りかけたりする。殴り方もエグイ。実はシナ系の映画ではこういったエゲツナイ表現がよく出てきて、私はこういうのがシナ風の演出というものか、と思っていたのだが、上海行きを前にして、フッと、もしかしてこういうのは演出ではなく、シナ人の実際の習性なのかもしれない、と考えた。なぜなら、上海のガイド本を何冊か読んでいると、どの本にも、上海人のマナーの悪さは覚悟していった方がよい、と書いてあるからだ。例えば、電車やバス、エレベーターなどで、降りる人と乗る人が常にもみ合い、突き飛ばしあい、大変なようなのだ。17 年前に上海に行った事のあるトモコも、道では突き飛ばされるわ、買い物時のお釣りは投げ返されるわ、で、散々な目にあったらしい。とはいえ、別に日本人だからといって意地悪をしているのではなく、そういうのが普通らしい。無礼ではあるが、とても親切だというし。うーん、民族の違いか。

 上海行きが、楽しみになってきました。

小川顕太郎 Original:2002-Dec-31;