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 Diary 2002・12月23日(MON.)

以心伝心

 可能涼介と居酒屋「天狗」にて飲む。まあ、忘年会みたいなもの。伏見桃山城、および文博の川端康成展に行ってきた可能は、今日もよく語った。

「このあいだ家の側で福田さん(福田和也)と会ったんだよ、たまたま。あ、ちなみに説明しておくと、オレの家と集英社と週刊読書人の事務所は、それぞれ歩いて 1 分くらいしか離れていない。で、まあ、どうしたんですか、と尋ねれば、今から『おばはん』だよ、と福田さんは言うわけ。『新潮 45』用の対談らしい。その時、オレは、今日は週刊読書人の年末恒例『スガヒデミ・渡部直己対談』の日だと、突如思い出したわけ。で、福田さんに『今日はスガ・ワタナベ対談の日なんですよ』と一言だけ言ったの。そしたら、福田さんは勘がいいから、『よし』と一言だけ言って、二人で読書人の事務所に行ったんだよ。そして、福田さんが『今日はスガさんが病気で倒れちゃって、代わりにやって来たよ』と言ったの。担当のアカシさん、目をまわしちゃって。で、まあ、そのまま二人してオレの家の側まで帰ってきた。オレは『そういえば昔、横山やすしがビートたけしの家を、夜中に訪ねた事があったそうです。何だろうと不審に思いながら出てきたたけしに、やすしは「どや、驚いたやろ!」と一言だけ言って帰っていったそうです』と語り、福田さんは『うーん、まったく一緒の事をやっちゃったよなあ。じゃあ』と言って、集英社に行っちゃった。あれは、以心伝心、って感じで、面白かったなあ」

 うーん、まあ、確かに、ちょっと粋な話かもねー。

「それとさあ、このあいだ島田さん(島田雅彦)が、下らないイベントをやったんだよ。参加者が食材を持ち寄り、それを使って島田さんが料理を作って、それをオークションする、という。で、オレも誘われたんだけど、断った。当日もすっかりその事は忘れていたんだけれど、変な奴に会ったんだよ。九州から出てきた鳶職人と名乗る若者で、東京の友達の家に遊びに来たそうなんだけど、一人で都心に出てきたらお金を落としちゃって帰られない。そこで道行く人に『お金を貸してくれ』と無心するんだけれど、誰も貸してくれない、『東京の人は冷たかー』とか言って泣いているんだよ。オレは『バカ野郎! オレが九州で同じ事をしても、誰も金なんて貸してくれない。東京の人が冷たいんじゃなくて、お前がバカなんだよ!!』と一喝したんだけれど、その時に、突如今日は島田さんのイベントの日だと思い出したわけ。で、彼を会場まで連れて行き、島田さんに概略を語ると、島田さんも勘がいいから、『よし』と一言だけ言って、彼を皆の前に引き据えて事情を語り、彼の持ち物でオークションをしたんだよ。そしたら、みんなも買ってくれて、彼はめでたく友達の家に帰る交通費が捻出できた、という訳。オレは別に、オークションしてくれ、なんて一言も言ってないんだよ。あれも、以心伝心、で、気持ちよかったよなあ」

 うーん、ちょっと飲み過ぎたか。でも、今から仕事に行かなきゃ。

 そこで、可能と別れて店に向かった。

小川顕太郎 Original:2002-Dec-24;