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 Diary 2002・12月12日(THU.)

ウイークエンド
演歌サバイバーズ

 みなみ会館に映画『ウイークエンド』を観に行く。これは 1967 年に制作されたジャン・リュック・ゴダール監督による作品で、なんと 33 年ぶりの公開になるらしい(RCS のスケジュール表より)。実はこの「33 年ぶり」というのがくせ者で、まあ、これは「正式な公開が」という事だろうけれど、なんにせよ、このなかなか観られないという状況が、この作品をちょっと神秘化・特権化していたのだ。ゴダールによるブラックユーモアの幻の傑作、というやつだ。この点、同じくゴダールの『はなればなれに』と似ていて、どちらも「この作品がゴダールの中で一番いい」「これを観ていないとゴダールは語れないね」などと言う奴がけっこう居て、まだ観ていない私は「ああ! 観たいいい!」と悶えていたものだ。で、『はなればなれに』は、すでに観た。観てみたら、ゴダールの作品の中ではつまらない方だった。なーんだ、これは単につまらないから、幻だっただけじゃないか、と私は呟いた。それ以来、『はなればなれに』が一番いい! という意見にあっても、ふーん、と言って、微笑むことが出来るようになったのである。では、この『ウイークエンド』はどうか? これも、つまらないが故に、幻だったのだろうか? いや、これはなかなか面白かったのだ。

 とは言っても、そんな特権化するほど面白かった訳ではなく、同じ年に作られたが故かテイストが似ている『中国女』の方が、私は面白いかな。あるいは、コメディーとして観ても、80 年代以降の、老人力炸裂の作品の方が面白い。笑える。この頃(60 年代)のゴダールは、とにかく下らないギャグを連発するんだなー。それが面白かったり、面白くなかったり。「若気の至り」感がする。でも、この頃すでに、けっこう歳はくっているはずだけれども。

 なんにせよ、観てよかった。面白かったし、これから先、「この映画を観てないとゴダールは語れないね」という意見にあっても、ふーん、と言って、莞爾として微笑むことが出来るから。

 夜は「さざんか亭」にて、今年最後の演歌サバイバーズ。なんと通算 5 回目! まさか、こんなにやるとは思ってもみなかった。メンバーも、新たにグルーブあんちゃんとアイちゃんが加わった。うーん、まさか人数も増えるとは考えてもみなかった。さらに、まさか今回がこんなに盛り上がるとは、まったくもって予想の他だった。

 鍋をつつきながらの、忘年会仕様の演歌サバイバーズ。あんまり盛り上がって色々あったので、ちょっと書き切れません。ただ、082 ことマツヤマさんによる秀逸な替え歌、『大井おっかけ音次郎』ならぬ『おおいオイダシンイチロウ』のサビの部分だけは、採録しておきましょう。まずはオイシン(オイダシンイチロウ)が、田舎から京都に出てきて、デザイナーを名乗ってオパールなどを徘徊する様が歌われる。そして、サビの部分。「やっぱりね 嘘だよね 来年は 滋賀だよね」。うーん、いささか楽屋オチですが、みんな大爆笑でした。

 飲み放題だったゆえ、いささか度を超して日本酒を飲む。で、帰りに「スピカ」というカフェに寄って酔いをさます。年末気分が盛り上がってきました。

小川顕太郎 Original:2002-Dec-14;