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 Diary 2002・12月6日(FRI.)

真の左翼

 オオヤさん来店。我々のような普通の一般大衆(?)は、自分達の平穏で平凡な人生こそ本物で、映画などに描かれるヤクザ社会とかのアングラ世界や、権力者達の世界などはバーチャル(幻想のもの)と思いがちだが、実はその逆ではないか。いささか陰謀論めくが、アングラ世界と権力者の世界がこの世を取り仕切っており、我々は彼らに演出された世界を生かされているだけではないのか。という話をする。こういった話は、証明できるものではないが、オオヤさんは「左」の人だから学生運動に興味があり、また元学生運動家の人々と今でも付き合いがあるようなので、そこから色々と考えたり調べたりするうちに、やはりあの学生運動という名の大衆蜂起は「演出」されたものだったのではないか? 誰かに上手に踊らされただけだったのではないか? という結論に辿り着きつつあるようで、その事から、このような話を信じるようになってきたそうだ。

「でも、なんか、そういうのって悔しいよねえー。全てを明るみに出すことは出来ないのかなあ」とオオヤさんは言う。私が「いやー、無理でしょう。世の中には必ず隠れた部分があるもんですよ」と知ったような答えをすると、「そうかなあ。いや、そうかも。でも、ボクはそんなんイヤやなあ、気持ち悪い!」と身を乗り出した。その時に私は、ああ、オオヤさんは真に左翼的な人なんだなあと、ちょっと感嘆した。真の、最良の意味での「左翼」とは、すべての事実を明らかにする、という事だと私は考える。極端な事を言えば、マルクス主義とか共和主義とか、イデオロギーは関係ない。ただ、すべての事実を明らかにすること。そういった意味では、いわゆる「左翼」と呼ばれる人達の中でも、真に「左翼」と呼べる人は少ないと思う。いわゆる「左翼」の人達ほど、イデオロギーに邪魔されて、事実を明らかにしないからだ。

 私は上記のような「真の左翼」の人達が大好きだし、畏敬の念を抱いている。大西巨人の「真に左翼」的な文章が好きだし、ケン・ローチの「真に左翼」的な映像が好きだ。私のような尊皇派の人間が、オオヤさんと親しく話すことが出来るのも、この一点において、私はオオヤさんに圧倒的な好感を持つからだ。オオヤさんが私の事をどう考えているのかは分かりませんが。

 フクイくん来店。買い付けから帰ってきたのだ。今回の買い付けはどうでしたか?

「今回『も』、バッチリ!」

 うーん、それは楽しみ。みなさん、a little beaver に走りましょう。

小川顕太郎 Original:2002-Dec-8;