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 Diary 2002・4月1日(MON.)

手術

 午前 10 時頃に病院に行くと、トモコはすでに点滴をうけていた。私の顔を見るなり、「うえーん」とトモコが言うので、何事かと思えば、トモコが昨日 1 万円以上もかけてケアした爪のマニキュアが、すっかりおとされてあった。「ダメなら先に言ってよー」とトモコ。ううむ。あと、喉が渇いたとしきりに言うが、飲食は禁じられているので、我慢するより仕方がない。昨日の話などをしながら、時間を潰す。

 午後 2 時ぐらいに、とうとう麻酔注射が行われる。かなり痛そう。看護婦さんが「ごめんねえ、今日はこれが一番痛いからねえ」と言う。すぐにトモコの昏睡がはじまる。あまりの早さに吃驚していると、続けて「はい、では手術室に向かいます」と言ってベッドごと連れ出され、私は手術室の前までついていったのだが、そこで当然ながら閉め出された。

 ちょうどそこに、トモコのお母さんが来られた。二人して交互にご飯を外に食べに行きながら、部屋にて待つことにする。

 午後 4 時ごろに、「あと 1 時間くらいですかねえ」と私とお母さんで話していると、突然トモコが帰ってきた。点滴の管と、首に大きく巻かれた包帯、酸素吸入器が生々しく、お母さんは思わず「見ていられない」と言って、逃げてしまった。

 私は看護婦さん達のセッティング作業が終わった頃に、恐る恐る病室を覗いたのだが、「もう話しかけて貰ってもいいですよお」と言われ、またまたびっくり。全身麻酔をしているので、まだ昏睡状態かと思っていたからだ。話しかけると、目はうっすら開くし、なにか囁いているのは分かるのだが、何を言っているのかは分からない。首筋から出ている血の通った管が恐ろしく、「あまり無理して喋らんとき」と私は言ったのだが、それでも何かしきりに口を動かしている。私が口の動きから内容を察すると…「ポー」。そうか、とポーを持ってきて枕元に置く。しかし、看護婦さんのいる手前、さすがにポーの代わりに私が喋るのは恥ずかしく、ポーは無言のまま。私がポーの表情から言いたいことを通訳する形にした。

 主治医の F 先生から、取り出した顎下線を見せてもらう。想像よりも大きな、肉のかたまり。それをメスで切り裂いて、詰まっていた石を見る。でかい。F 先生も「これは大きいですよ。」と請け合う。

 手術は成功。顔面の神経にも全く以上はない。あとはしっかり回復を待つばかり。とはいえ、気分が悪いらしく、胃の中が空っぽだから吐くものはないのに、嘔吐を繰り返したり、首の痛みを訴えたりする。

 私は、トモコが明日の朝に食べるものを取りにいったん家に帰り、すぐに病院に戻る。で、いま現在、消灯された病室でこの日記を書いています。今日は付き添いで、ここで一晩過ごします。オパールは優秀なスタッフに任せ、私はお休み。なんにせよ、手術が成功して良かった。

小川顕太郎 Original:2002-Apr-2;