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 Diary 2001・9月21日(FRI.)

伊勢参り(後)

 朝ご飯が 7 時から 8 時半までの間なので、それまでに起きて、なんとか朝食にありつく。眠い。が、そんな事もいってられず、すぐにホテルをチェックアウト。いったん荷物を車の中に入れ、車はそこに置いたまま、そこら辺を散歩する事に。

 ここら辺は「河崎」といって、昔は「伊勢の台所」と言われて賑わった問屋街らしい。古い町並みがあって、散歩をしていてもなかなか面白い。どの家も門前に「笑門」または「蘇民将来」と書いたお札と注連縄を飾っている。ううむ、やはり敬虔な人が多いのだろうか? と考えながら、「河崎館」というジャズ喫茶に入る。

「河崎館」は倉を改造して造った店で、靴を脱いであがる。入った所に焙煎機が置いてあり、自家焙煎である事を誇示している。マスターは作務衣のような服を着た髭面の人で、珈琲をネルドリップでいれてくれる。これでジャズ喫茶。しかも時々ジャズライブまでやっているというのだから、分かりやすい。典型的な趣味人の店。こんな店がこういう古い街にあるのが、なんかおかしいですね。

 ちょこっと買い物をしてからホテルに戻り、車で出発。「古市」という街をぐるりと廻ってから、朝熊(あさま)山にある金剛證寺に行く。ここは伊勢音頭に「お伊勢参らば朝熊をかけよ。朝熊かけねば片参り」と歌われたように、伊勢参りに来た人は必ず参るべきところだ。が、伊勢志摩スカイラインという有料道路に乗って山の上のこの寺までやってくるのは案外大変らしく、我々が行っても参拝客はほとんどいなかった。我々の他に一人か二人くらい。しかしここはなかなかに素晴らしい所だったのだ。

 やはり山の上にあり、人がなかなか来られない、というのが良いのだろう。俗界とは切れた、別天地を成している。古びてはいるものの、建物も庭も、凄くいい感じを出している。こういう所にいると時間を忘れる…。って、時間を忘れている場合ではない。もうそろそろ帰って、仕事をせねば。別に休暇をとった訳ではないので、今日はオパールに出ねばならない。

 伊勢市まで戻って、「まめや」で伊勢うどんを食べ、帰路に着く。行きは夜の道をぶっとばしたので 2 時間ほどで着いたが、帰り道はそういう訳にはいかない。案の定渋滞に巻き込まれ、ダラダラ〜と帰る。この 2 日間の疲れが一気に出て、車中で気分が悪くなる。

 家までショウヘイくんに送ってもらい、しばし休んでからオパールへ。オパールに行くと、カウンターでマツヤマさんが熱燗を飲んで気炎をあげているし、管理人さんがやってきてホームページの更新をやっており、ベッチが浪費している。いつもと何も変わらない。水曜日の晩に仕事を終えてここを出て、伊勢に参ってきたのが嘘のようだ。私もそんな事はすっかり忘れて、土産話はせず、仕事に精を出す。さあ、しっかり働きましょう!

小川顕太郎 Original:2001-Sep-23;