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 Diary 2001・9月2日(SUN.)

一番美しく

 ブーツィーズレコードに行く。ソウルのシングルを何枚か委託で出してもらっていたのだが、それが 2 枚売れていた。ヒラノさんからその代金を受け取る。けっこう安い値段で出していたので、もうちょっと売れているかと思ったが、なかなかそううまくはいきません。興味のある人はブーツィーズレコードに行ってみて下さい〜。私は買った値段の半額から 3 分の 2 ぐらいの値段をつけているので、もし欲しいものがあれば、お得だと思いますよ。って宣伝してしまいました〜。

 中古 CD を 4 枚購入。キース・スウェットの『DIDN'T SEE COMING』、シスコの『UNLEASH THE DRAGON』、ローネイの『II』、そしてラン DMC の『KING OF ROCK』。レコードも欲しかったが、お金がないのでグッと我慢する。

 家に帰って、トモコと一緒にビデオ『一番美しく』(1944 年・黒澤明監督)を観る。これは戦中に作られた翼賛映画で、兵器工場で働く女子工員達の奮闘ぶりを描く。これがまた面白い。お国のために、戦場で日本のために命を張って闘っている兵士達のために、みなが一丸となって頑張るさまが素晴らしい。もちろん途中でダレたり、行き詰まったり、揉めたり、色々とあるのだが、それらを乗り越えて頑張って、頑張って、頑張り通す。随所に笑いも盛り込んであり、しっかり感動もある。娯楽作品として十分楽しめる作品になっている。

 戦後はこのような翼賛映画は禁圧されてきた。その代わり、似たようなものとして、スポ根ものがある。勝利を目指して皆が一丸となって、数々の障害を乗り越えて頑張る、という内容の作品群だ。スポ根ものも確かに面白い。そこには娯楽作品に必要なあらゆる要素が詰まっている。が、そこまでして頑張る勝利の目標が、たかだか高校生のスポーツ大会の優勝だったりするから、その頑張り方と目標のアンバランスさが、冷笑を呼んだりする。たかが野球の試合でそこまでするか? とかいう具合に。しかし、戦争ともなればそうは言っていられない。本当に生きるか死ぬかのギリギリの戦いだ。だから、その頑張りもリアルで、胸にくるのだ。まあ、人間の生死なんて大した問題じゃない、という老荘的な見方もあるんですが…。

 所長を演じる志村喬がいい。「人格の向上なくして、生産力の向上なし!!」と、声を裏返して叫ぶ所なんて最高だ。お薦めです。

小川顕太郎 Original:2001-Sep-4;