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 Diary 2001・11月22日(THU.)

テロ世界戦争と
日本の行方

 一昨日、やっと副島隆彦の新刊『テロ世界戦争と日本の行方』(弓立社)を入手した。丸善に行けば、平積みにしてあった。この本は表紙からして凄い。副題として「アメリカよ、驕る無かれ!」と書いてあるのだが、実はこの本は最初もっと過激な「ざまあみろアメリカ!」という題名で予定されていたらしい。が、さすがにそれはちょっと…と出版社の人にびびられて、やむなくこのような大人しい題名になったのだが、なんと! ちゃんと「ざまあみろ!!!」と書かれているのだ。貿易センタービルが崩壊した写真の上に「I TOLD YOU」とはっきりと書かれているのだ! 「I TOLD YOU」とは、「ざまあみろ!」「私の言った通りだろ!」という意味である。私は最初この表紙を見た瞬間に腰を抜かした。凄いなあ、副島隆彦は。かっこよすぎるよ。

 で、本日は休みでもあることだし、ゆっくりと本書を読み、3 分の 2 ほど読んだ。凄く、面白い。副島隆彦の本はここ 10 年くらいずっと読み続けてきたが、今までで一番面白いんじゃないか?

 この本は副島隆彦のホームページ上で連載されている「今日のぼやき」を、そのまま本にしたものだ。私がちゃんと「今日のぼやき」を読むようになったのは、9 月 11 日のあの事件以来だから、その前後の文章以外ははじめて読む。「今日のぼやき」は爆裂的に面白いのだけれど、どうもネット上の文章を読むのが苦手で、過去ログまで遡って読む気になかなかなれなかった。それがこのように紙媒体になると、読みやすくて嬉しい。予想通り、爆裂的に面白かった。

 情報統制国家・日本において、我々が知る事が困難な日本の姿、政治の姿が活写されていて、少しでもそのような事に興味のある人間にとって必読だと思うのだけれど、私はその事については書かない。そういった事ももちろん猛烈に興味深いのだけれど、私が最も強く反応してしまうのは、ちょっと違う所なのだ。ああ、やはり自分は政治には無縁で、人文系の人間なんだなあー、と感慨を覚えてしまうが、私が強く反応するのは、以下のような部分だ。

 副島隆彦が森首相を評価した部分。172 ページから引用。

 日本人は、自分の腹の中にある嫌なことは、外側に出さないで、訳の分からないことを言う国民だ。これがいいのだ。感情を丸出しにするのも馬鹿らしいと思えば、皮肉にもならない皮肉を言ってすっとぼける。街頭でテレビ・インタビューを受けるサラリーマンの中に、必ずこういう人がいる。質問にも何も答えないで、「ママ、見てる?」とか、自分の好きな女優やアイドルの名前を連呼する馬鹿なやつだ。あれがいい。実にいい。

 もともと日本人には、ジョークやエスプリやユーモア(ヒューモア)の才能は全くない。よくて、くだらない駄洒落を朝から晩まで言い続けているタイプがいる。だから日本人で頭のいい人たちは、常に訳の分からない、自己卑下冗談を言う。「どうせ私は、たぬきですから」というような。何を言っているんだか、の世界だ。

 森はどうせ、アメリカに自分が嫌われているのだと、十分知っている。ブッシュにしてみれば、顔もみたくない相手だ。何を言っても無駄だ、と諦めている。それを外務省が、慣例に合わせて、むりやり日程を作って、わざわざ飛行機にのせて森を運んだ。

 引用終わり。

 で、森首相は、ブッシュとの日米首脳会談で、意味不明の事を、日本語で、言い続けたのだそうだ。「このマイクは、たぬきのしっぽみたいだな」とか。いい話だなー。

 ま、そういう訳で、この本は強力お薦め本です。はやく続きを読もうっと。

 そういえば、「つぼ八」に行ったら、クラタニくんとリエちゃんに会いました。それだけ。

小川顕太郎 Original:2001-Nov-24;