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 Diary 2001・11月2日(FRI.)

オイシン
目覚め?

 はっさくさん来店。はっさくさんは先日、自転車に乗っている時に車と激突し、肋骨を折った。肋骨は折れてもギプスなどで固定する事ができず、なるべく安静にしているしかない。だから、はっさくさんはソロリソロリとした固い動きで来店。ぎこちなく珈琲を飲んで帰る。笑うと響くので、笑えないのが辛いそうだ。うーむ、確かにそれは辛そうだ。

 祝日前の金曜日だというのに、もの凄く暇だ。暇を持てあまして、オイシンに最近はどんな映画を観たのか、と尋ねてみる。すると、最近は全然映画を観ていない、との答え。おっと、これはどうしたことか。去年などは、みんなの話に追いつくんだ! 今までの遅れを取り戻すんだ! といいながら、ほぼ 2 日に 1 本の割合で映画を観ていたはず。もう飽きたのか?

「っていうかー、ボク、本当に自分で映画が好きなのかどうか、よく分からなくなってきたんですよー。まあ、観たらそれなりに面白いんだけれど、こんな事してて、自分はいったい何をやっているんだろう、と疑問に思い始めたんです。だから、最近は映画を観ないんです。」

 おおお! オイシン!! や、やっと? 本来の自分の姿が見え始めてきたのか! ババさんが「オイシンは映画がなくても生きていけるやろ?」と問うと、「まあ、そうですねー」と答える。「岐阜に帰っても生きていけるやろ?」と問うと、「そりゃ、生きていけますよ!」

 おおお!! こ、これは本格的に目覚めが始まっているかもしれない。自省の芽生え。

 オイシンは、端から見たら、どうみたって岐阜に帰って家業を継ぎ、中小企業の社長となってゴルフでもやっているのが似合っている。オパールに居て、パゾリーニを観て、ノーザンソウルを聴き、コンラッドなんて読んだりして、デザイナーを目指しているのは凄く変。その事は最初からずーーーーっと言い続けてきたのだが、オイシンは耳を貸さなかった。「今にみていて下さいよ!」と言うばかり。みていろって、一体何をみていればいいのか。オイシンが本来の自分からかぎりなくずれていく姿をか。それは見せられる方はつらいぞ。とか、思っていたら、やっとオイシン本人が、気付き始めたようだ。もうちょっとだ、オイシン、頑張れ!

小川顕太郎 Original:2001-Nov-4;