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 Diary 2001・5月25日(FRI.)

書道 2

 ババさんの大学時代の知人であり、書家のテラダさんが来店。書家、というより篆刻家というべきか。篆刻を主にやっており、その関係で隷書なども書いているようなのだ。私がこの日記で、書道をやりたいけれど書道界の事が全然分からない! と書いていたのを読み、それでは自分の分かる範囲でお教えしましょう、と来店してくれたのだ。

 テラダさんの話によると、やはり書道は師匠選びが最も肝心、ということだ。書道の先生を名乗る人は星の数ほどいるけれど、あまり上手でない・いささかいい加減な先生も多いらしく、そういった先生についてしまうと、決してその先生を越える事ができず、かといって先生を変えるのも容易ならず、悲惨な事になってしまうという。

 また有名ないい先生についたとしても、お金が莫大にかかったりする場合もある、という。ううん、そうかあ、難しいなあ…。で、テラダさんの通っている教室はどうなんですか?

「畦石舎という所なんだけど、師匠はいいよ。コピーしたお手本なんて決して使わないし。またそれくらい本格的な教室にしては月謝は安い。師匠は厳しいけれど、好きなことをやらせてくれる。で、教室はここのすぐ側。」

 そ、そうなんですか! 凄くいいじゃないですか。…まあ、当然ですよね。自分の通っている教室を悪くいう訳はないですよね。でも、今の私に他の教室と較べる力量はないです。とりあえずは一度見学に行ってみる事にしました。

「でも…」とテラダさんはほくそ笑んだ。「書道はお金がかかるよー。」ええ! そうなんですか? 「日展とかに入賞でもしようもんなら、200 万円はかかるよ。」いやああ、別に日展入賞を目指さなくてもいいんですけどお…。「道具もねえ、凝りだすと上限がないよー。ボクも今 180 万円の硯を買おうと思っているんだけど。いや、これが値下がりしてもうすぐ 120 万円になりそうなんだ。そうしたら買おうと。」‥‥やはり、そうですか。確かに、道具っていうのは、凝りはじめると切りが無いんですよねえ。ババさんとかみてると、そう思います。「墨もねえ、何千万というやつになると、全然違うよ。まるで自分が名人になったかのように…」……。

 最後にテラダさんは徐に石を取り出し、彫ってくれた。希望の字を、と言われたので「ソウル(魂)を!」と頼む。テラダさんは、サササっと彫って、「はい。」それを朱肉につけ、紙に押すと、篆書で刻まれた真っ赤な「魂」が。うううん、盛り上がってきました!

小川顕太郎 Original:2001-May-27;