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 Diary 2001・5月8日(TUE.)

第一通報者

 アキラさん来店。いささか興奮気味で以下のような話をしてくれる。

 今朝アキラさんが会社に行くために満員電車にのって揺られていると、窓の外に見える川べりに女の人が倒れているのが目に入った。

 そのマネキンっぽい様子、しかし靴を履いていることから、アキラさんはとっさに「死体だ!」と思い、覚えず「ヒイッ!!」と小さな叫び声をもらした。が、周りの乗客は誰も気付いた様子はない。あれはなんだったんだろう? やはり死体だったんじゃないかな? …と午前中悩み倒した挙げ句、昼休みに実家に電話をかけて、なにかニュースになっていないかを尋ねる。

 しかし、そんなニュースはない。そこで今朝の話を家人にすると、とりあえず警察に電話しろ、と言われ、アキラさんは警察に電話した。アキラさんの電話を受けた警察の人は、いたずら電話と疑っている如何にも胡散臭気な様子で対応。とにかく現場まで見に行くから、と電話を切られる。

 14 時頃、警察から電話があり、「あれは確かに死体でした。あなたが第一通報者です」と言われる。他殺の疑いがあるので捜査に協力を願うかもしれないという警察の人の言葉も夢うつつに聞き流し、アキラさんはぼうっとしてしまったそうだ。

 凄いではないですかアキラさん。なかなか死体の第一通報者にはなれないですよ。これでヤマネくんを超えたかもね。

 アキラ 28 来店。どうにも就職活動に真剣になれないアキラ 28 だが、周りの友達は、就職できなければこの世が終わるかのような緊迫ぶりで、どうにも鬱陶しいという。「だって、28 歳ぐらいでフラリとニューヨークに自分探しの旅に出る人っているじゃないですか。‥‥ああいうのって、素敵ですよね。」

 おいおいおい! アキラくん、それは危険な考えだよ。はっきり言うけれど、そんな人間に碌なやつはいません。とりあえず頑張って就職活動してみて下さい。まあ、就職できなくてもこの世は終わりませんけどね。

 ハシグチさん来店。鹿島茂が、編集者に本を貸すとボロボロになって返ってくるのでもう貸すのは嫌だ! と言っていた話をすると、「いやあ耳が痛いです。」と、もと編集者のハシグチさんは頭をかく。なんと鹿島茂に借りた本も扱ったことがあるという。

「どうしても付箋を貼ったり、コピーするために背を強く押したりしてしまうんですね。僕も編集者になる前は本を大事にする方だったんですが、編集者になって感覚が麻痺してしまいました。今は反省しています。」とのこと。私も、鹿島茂なんかとはレベルこそ違え、大事にしているレコードに傷でもつけられたりしたら、血相が変わるだろうな。値段は大したことはないんだけれど、そういう問題ではないんだよね。ハシグチさんがサッカー好きで、東京にいた頃はフットサルをやっていた事が判明。次回のオパールフットサルに是非とも参加したい、という。喜んで。

 そういえば今週はソウルサバイバーズだ。となんとなく呟く。

小川顕太郎 Original:2001-May-9;