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 Diary 2001・5月4日(FRI.)

調査報告

 可能涼介来店。雑誌「ユリイカ」の今月号(宝塚特集号)をくれる。これに可能が書いているのだ。といっても宝塚についてではなく、小特集のリチャード・フォアマンについてだ。この小文が、現在の可能の立場を総括しつつリチャード・フォアマンの本質もつく、といった、いわゆる可能涼介スタイルが成功したなかなかよい仕上がりになっている。興味のある方は、読んでみてほしい。可能の文章は、読み手にある程度以上の教養を要求するが、なに心配することはない。私の日記を読んでいれば、理解はできる。そして、私の日記を読むのに、たいした教養は必要ないはずだ。私自身が無教養に毛が生えたような人間なので。

 そういえばこんな話をされた。可能が評論家の大杉重男に対して、「現在『群像』に連載中の大杉さんの論考「アンチ漱石」、あれは富永仲基ですね?」と問えば、大杉重男が「よく分かりましたねえ。まったくその通りです。そうそう、それなら可能くんの『はじまりのことば』、あれは伊藤仁斎じゃないですか?」と返され、「よく分かりましたねえ!」と恐れ入ったそうだ。ううん、富永仲基も伊藤仁斎も読んだことがないから分からん!! かように、教養がないので、しばしば可能の話にはついていけないのであった。

 未来探偵ユキエさん来店。今回は特に収穫はなかったが、なにもさぼっていた訳ではない。ユキエさんは未来探偵の名に恥じぬよう、例えば自転車に乗った未来くんを探しに競輪場まで行っておじさん達にもみくちゃにされたりとか、精力的に調査活動は続けていたのだ。その調査の過程で、ひとつの事実が明らかになった。それはユキエさんの家の側に、全国の国体のキャラクター人形を作る工場があったのだ! しかし、残念なことにこの工場は今年の三月に潰れていた。盛業当時を知る人の話によると、その頃は工場の前には未来くんの人形が山積みになっていたそうだ。ユキエさんは跡地を探索してみたのだが、謎のキャラクター人形ばかり転がっていて、未来くんはなかったという。…さらに頑張れ! 未来探偵ユキエ!!

小川顕太郎 Original:2001-May-6;