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 Diary 2001・3月26日(MON.)

乃木坂血風録

 福田和也の『乃木坂血風録』(新潮社)を読んでいると、これは雑誌「Wooooo」に連載されている時事コラムみたいなものなので、普段テレビを見たり新聞を読んだりしない私には、様々な時事ネタが分かって面白い。

 例えば、私の一番感動した話として、勝新が死んだ時に、中村玉緒が棺に 500 万円入れたというやつ。これはとてもイイ話だ。さすが中村玉緒! 伊達に勝新の女房じゃなかった!! と感動。お金の使い方をしっている。

 その他には、水戸のダンボール工場の話。どんな重度の障害者も雇ってくれるということで福祉関係に非常に評判の良かった工場の社長が、実は従業員の障害者の女性達を殴ったりレイプしたりしていた、というやつ。まるで絵に描いたような悪人っているもんだね。しかし福田和也も言っているように、「だいたい善いことをしようなんて奴は、まず額面通り信用できない。頭が悪いか、腹が黒いかのどっちかだよ」。善意や美談の陰には悪人が住む、というのは、いつの時代だって真理でしょう。

 あと落ち目になったエリオット・マーフィーが、30 人くらいの客相手にライブをやって、そのあと自分で客席をまわって自分の CD を売っている、という話。福田和也の口からエリオット・マーフィーの名前を聞くとは。私もむかし好きでしたけどね、ルースターズがカバーしていた『DRIVE ALL NIGHT』とか。なんかこの話はジョー・ストラマーを思いださせる。ジョー・ストラマーも、確か落ち目になったあと、アラームのコンサート会場の前で歌って小銭を稼いでいた、という話があった。いや、それだけですが。

 共産党のことを「アカ」と呼べ! とか、テレビのワイドショーなんかは見てる奴も作る奴も生きている価値がないとか、男にとって都合の良い女性像に合わせていた方が結局女にとってもよいとか、とりあえずの正論が並んでいて、暇つぶしには最適の本。まあ、潰す暇がけっこうあったんですね、今日は。ショウヘイくんも吉田武著『虚数の情緒』を読んでいたし。暇にあかせてワイン、焼酎、日本酒、と飲んでいたら、眠くなってしまいました。ああ、『あの頃、ペニー・レインと一緒に』が観に行きたい。でも、無理かなあ。

小川顕太郎 Original:2001-Mar-28;