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 Diary 2001・3月13日(TUE.)

オイシンの発表 II

 オパール道場特別編、「抽象能力を養うために小説の要約をしてみよう!」の第 2 回が行われた。今回の小説は筒井康隆の『家族八景』。答えるは前回に引き続きオイシン。って、これはオイシンのために特別に行われているのだが。ババさん、ミツギちゃん、ショウヘイくん、トモコ、私の 5 人の前で、発表は行われた。

 ……ま、すぐに詰まってしまったんだな、これが。考えすぎか。しかしそもそも考えることの出来ないオイシンに、考えすぎという事態はあり得ない。きばりすぎってとこだろう。事態を進行させるために、質問を発する。

「オイシンはこの小説のどこが面白かったんや?」

「ええとですね、マザコンの青年が出てくる話があるんですよ。そのお母さんが死んで焼かれるんですが、実は死んでなくてですねえ、生きたまま焼かれるんですよ。それを主人公は分かっているんですが、分かっていると言うと自分の特殊な能力がばれてしまうんで、そのまま見殺しにするんですよ。そことか」

「ううん、いやそういう意味ではなくて。具体的などのシーンが面白かったか、ではなく、この小説全体のどういった所が面白かったか、を尋ねているんや。抽象化して答えな。あ、オイシン、〈抽象〉ってどういうことか分かってる?」

「はあ、ええと、どこが面白かったかを、考えること、でしょ」

「え!? いや、〈抽象〉やで。〈抽象〉とは、ある具体的なものごとから何かを抜き出すこと、やで」

「へええ、そうなんですか」

 そ、そうなんですかって! オイシン、ほんまに大学を出たんか?  抽象能力がないだけではなく、そもそも〈抽象〉の意味さえ分かっていなかったとは…。これはあまりにも前途多難だ。

 とりあえずオイシンには、面白かったシーンをノートにズラズラと書き出し、それをじっくり眺めて共通する点・傾向などを掴んでくることを命じた。それが抽象化の第一歩だろう。

 ショウヘイくんは、この『家族八景』を読んでいず、内容を知らなかったのだが、「もしかして、それ、こういう話とちゃうか」と、オイシンのダラダラ話から〈抽象〉してオイシンに告げ、「そうそうそう! ショウヘイさん、凄いなあ、なんで読んでもいない話が分かるの?」と、オイシンを驚かせていた。

 ううむ、虚しい。

小川顕太郎 Original:2001-Mar-15;