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 Diary 2001・3月9日(FRI.)

蘇った(のか?)
ソウルサバイバーズ

 瀕死の淵で喘いでいるソウルサバイバーズを救うべく、オパールで勝手に盛り上げてきた「 ソウルサバイバーズ再生計画」。その成果が、本日問われる。

 ああ、これでアカンかったらどないしよ、むっちゃ寒いし客足も悪そう。と、不安な心を抱えながら、23 時 25 分から 1 回目の DJ を頼まれていた私は、23 時をまわってから慌ててオパールを飛び出して、コラージュに向かった。

 扉を開ける。うおっ! こ、これは…お客さんでひしめいている! ううん、ひとまず安心、とか一息つく暇もなく、クラタニくんを探して声をかける。クラタニくんは私の手を握って、「ああ、これはこれは、いつも遠いところから有難う…」。あ、こいつ酔っぱらっているな、おい! クラタニくん!! 遅れてゴ・メ・ン・ネ!! 「あああ!!! ケンタロウさん! もう、間に合わないかと思いましたよ! もうすぐなんですけれど、いけますか?」。多少緊張していた私は、あまり待って緊張感が続くのが嫌だったので、いける、と答えて DJ ボックスに入り、DJ をしていたキタアキくんに挨拶をした。

「次の曲で終わりますから」とキタアキくんに言われ、私は自分のレコードをチェックしはじめた。最初は DEE EDWARDS の『DEAL WITH THAT』からゆっくりはいって、次ぎに CURTIS の『HOW CAN I TELL HER』で、徐々に盛り上げて…と考えていたら、あれ? これは『HOW CAN I TELL HER』! わちゃあ! キタアキくん、それかけちゃったのおお! 私はいきなりパニックに陥ってしまった。

 しかし、まあ、ええわい、ともう何も考えないことにして、『DWAL WITH THAT』をプレイヤーに乗せ、しばしの緊張のあと、スタート! が、いきなり、曲頭が切れていた。とりあえず、久しぶりの DJ ではあるし、最初は肩ならしのつもりでモダンソウルばかりをかけた。とはいえ、お客さんは犇めいているので、いい加減なことは出来ない。最初はせっかくキタアキくんが盛り上げてくれたフロアを、少しひかせてしまったが、なんとか、なんとか徐々に盛り上がりをみせ、無事に終了。何度か失敗をした私に対して、イズミくんが「失敗は愛嬌でしょう」とフォローをいれてくれる。そうそう、私のようなゲストの場合、失敗は愛嬌となるのだ。気も楽になり、私はフロアで踊り始めた。

 で、2 回目。酔っぱらってフラフラになりながら失敗だらけの DJ を続けるクラタニくんの後を受けた私は、いったん曲を止め、「河原町姉小路上がるレディックビル 6 階でカフェをやっているオガワといいます。本日はゲストとして呼ばれ、ノーザンソウルをかけます。しばし、おつき合いください」と大声でフロアに向かって叫んでから、スタートした。

 今度は、2 回目ということもあり、かなりリラックスしながらプレイできる。曲も私の好きなものばかりなので、しぜんと私自身も盛り上がって、DJ ボックスのなかで踊りまくる。フロアも盛り上がっているようで、気分はいやがうえにも昂揚する。参考までに、私のプレイリストを書いておく。

  • ARCHIE BELL & THE DRELLS 『HERE I GO AGAIN』(ATLANTIC)
  • WHITE CANE 『COUNTRY WOMAN』(LION RECORDS)
  • LAWRENCE AND THE ARABIANS 『COINCIDENCE』(SHOUT)
  • JIMMY CASTOR 『MAGIC SAXOPHONE』(SMASH)
  • THE PLATTERS 『SWEET, SWEET, LOVIN'』(MUSICOR)
  • JIMMY MACK 『MY WORLD IS ON FIRE』(SOUL GALORE)
  • TIMOTHY WILSON 『PIGTAILS』(BUDDH RECORDS)
  • DEE DEE SHARP 『WHAT KIND OF LADY』(GAMBLE)
  • SYL JOHNSON 『THAT'S WHY』(TWINIGHT RECORDS)
  • BILLY HARNER 『WHAT ABOUT THE MUSIC』(KAMA SUTRA)
  • THE KITTENS 『AIN'T NO MORE ROOM』(CHESS)
  • LIQUID SMOKE 『DANCE, DANCE, DANCE』(ROULETTE)
  • BOBBY PARIS 『NIGHT OWL』(CAMEO)

 以上 13 曲。とにかく楽しかった。家のプレイヤーで聴いている音と全然違う。でかい音でノーザンソウルをかけ、聴き、踊り、踊らせることの快感よ!

 イズミくんに交代し、DJ ボックスを出た途端に、猛烈に喉の乾きをおぼえ、ミネラルウォーターを買いに走る。一瞬、虚脱。が、すぐに蘇り、フロアに駆け戻って踊りまくる。最高だ。瀕死のソウルサバイバーズは蘇った。我々はサバイブしたのだ。我々、本日ここコラージュで踊った全ての人こそ、ソウルサバイバーズ、なのだ。

 …ん? このピンボールマシーンの下から出ているものは何だ? あ、足だ。誰か酔い潰れて寝ていやがるな、まったく、このように大盛り上がりしている時に、いったい誰や…うおおっ! ク、クラタニくんやん! おいおい、大丈夫か、もうすぐ出番じゃないのか! クラタニくんは締めやろ、リーダーやろが! 「ダメみたいです」とリエちゃん。イチモトくん、ヒラノさんが必死に叩き起こす。なんとか、起き上がり、フラフラと DJ ボックスに向かうクラタニくん。「あと、ちょっとなんで、ビシッと締めましょう、ビシッと。ううい」と言って、プレイをはじめた。

 ほんとに蘇ったのだろうか、ソウルサバイバーズ‥‥。

小川顕太郎 Original:2001-Mar-10;