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 Diary 2001・6月28日(THU.)

散弾銃の男

 みなみ会館に「鈴木清順レトロスペクティヴ―殺しのスタイル」中の一本、『散弾銃の男』 61 年二谷英明主演、を観に行く。

 いやー、聞く所に拠ると、ババさんもアキラ 28 も『セシル・B  ザ・シネマ・ウォーズ』を観て以来、どんな映画を観ても「ぬるい」「つまらん」「イマイチ」と感じる状態に落ち込み苦しんでいるという事だが、私もなんだか映画を観に行く気がしない。この鈴木清順特集も、観ていなかった奴はこの際に全部観てしまおう、せめて『すべてが狂ってる』『刺青一代』の 2 本だけでも観に行こう、と決めていたのだが、どうにも行く気が起らなくて、前述の 2 本も観のがしてしまった。パニッシュ・バッド・シネマ!! それでもボツボツとリハビリを開始するべく、みなみ会館に出向いてみた、という次第。

 いやー、もーう、ねー、パニッシュ・バッド・シネマ!! っていうかねー、つまらんかったねー、マジで。二谷英明って、かっこ悪すぎるよね、ホント。これが宍戸錠とか小林旭ならまだよかったんだけれどねー、うーん。

 これは当時大流行りだった和製西部劇の一種で、馬にこそ乗っていないが、私設保安官やガンファイト、わざとらしい荒野など、それらしい道具立ては一応ある。自分の許嫁を犯され殺された二谷英明が、その犯人を追ってある村に乗り込む、というストーリーだが、なんとラストでこの犯人達を殺さない! 殴って警察に引き渡すだけ。この犯人達に妻を犯され殺された人も出てくるのだけれど、その人の復讐も止める。そして呟く「俺達の復讐はもう終わったんだ…」なんじゃそれ?

 とにかくこの映画では、どんなに憎くても敢えて殺さない=復讐の否定、というのが美徳として称揚されているのだが、まったく共感できませんね。女を犯して殺しまくっている悪党なんて、殺されて当然だろうが。だいたい、何十人もの村びとに囲まれて銃撃を受けるシーンがあって、それに向かって散弾銃を撃ちながら防戦、逃げるのだが、あの時にバタバタ倒れていった村びと達は死んでいなかったのか? 謎です。

 パニッシュ・バッド・シネマ!! リハビリは始まったばかりです。

小川顕太郎 Original:2001-Jun-29;