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 Diary 2001・7月13日(FRI.)

ソウルサバイバーズ
2周年

 本日はソウルサバイバーズ 2 周年! スペシャルゲストに日本ソウル界の大御所・鈴木啓志を迎え、オリジナル CD を先着 50 名様にプレゼント! と、気合いが入りまくっていますが、さて、どうだったのでしょうか?

 結論からいうと、凄かったです! やはりこれは、なんというのでしょうか、鈴木啓志効果でしょうか。鈴木啓志といえば、もう 30 年以上もソウルミュージックに携わり、雑誌への寄稿はいまだに続けているし、著書も何冊もある、まさに日本ソウル界の重鎮。

 ところで、日本のオーソドックスなソウル界では、イギリスのノーザンソウルシーンというのは蔑視されているんですね。あくまでディープソウルを最高のものとし、スピーカーの前で腕組みして目を閉じて、黒人の魂の叫びに耳を傾ける、という「日本の正しいソウルファン」からすれば、踊れなきゃウソだぜ! とばかりにダンスナンバーを貪欲に追い求め、自分達の魂を震わせ、フロアで気狂いにしてくれる曲であったら例え白人の曲でも「ノーザンソウル」として熱狂的に受け入れる輩なんて、ソウルの「ソ」の字も分かっていないバカたれ、という風にしか思えないのでしょうね。ま、いいんですけど。こちらにはこちらの言い分がありますから。だって、まるで高価な骨董品に接するようにソウルに接するなんて、ちっとも「ソウルフル」じゃないでしょう? 言っちゃ悪いけど、植民者的なスノビズムさえ、感じてしまいますね。やっぱり自らも絶叫せな! 踊らな! MOVE YOUR SOUL !!


左からヒラノさん、鈴木啓志氏
 
 

 別に鈴木さんがノーザンソウルに敵対心を持っている訳ではないし(それならゲストに来てくれないだろう)、良質なノーザンソウルをたくさんかけてくれたのだが、迎え撃つ(?)側がほんとに凄かった。まず鈴木さんのあとを受けたヒラノさん。いや、ホントーに凄かったです。唖然としてしまいました。Ernest Mosley 『Stubborn Heart』! Sam Ward 『Sister Lee』! そしてヒラノさんお得意の Doris Troy 『I'll Do Anything』で、私も思わずアクロバットをきめてしまいました。

 ヒラノさん、こんなに凄くて、後に続く人はどないすんねん、と危惧を抱きましたが、それは杞憂に終わりました。イズミくん、キタアキくんの神戸組も、ヒラノさんに負けず劣らずのテンションの高さ。二人とも全身から何か出てるんちゃう? と、突っ込みたくなるぐらいで、フロアももうグチャグチャでした。全員汗みずく。

 こういった気狂い踊り狂いの状態に、いまひとつ不満なイチモトくん。イチモトくんは、オーソドックスな日本ソウル界とノーザンソウルシーンの間にたって、バランスをとっている人なんですね。だから今日のように度を失った状態にはちょっと不満。ブルースをかけて牽制したり、渋めのモダンソウルでフロアを引き締めます。それもまた、ソウルサバイバーズの色です。でも、フロアーの熱狂はさめず。そのままラストのリーダー・クラタニくんへと突入しました。

「みなさん、今日は本当に有難うございました。最後まで残ってくれたみなさんのために、最高のノーザンソウルを残してあります。楽しんで下さい!」

 ラストスパートです。みなが最後の力を振り絞って踊っていると、突如ナイスなスローナンバーが流れました。お、クラタニくんの新趣向か、と感心していると、「すいません、間違えて裏面をかけてしまいました。初めて聴いた曲でしたが、結構いい曲でした」とお詫びの MC が入りました…。さすがクラタニくん! その後も、バリバリとノイズが入ったり、途中で曲が止まったりしましたが、「すいません! この曲は高かったんで、是非聴いて下さい! 5 万円もしたんだよおー」と、2 周年だからなのか、クラタニ節全開。みんな笑って、泣いて、踊って、へたれて、爽やかな朝を迎えました。

「じゃあ、今から社員旅行に行ってきま〜す」と、朝日の中に消えて行ったクラタニくん。ソウルサバイバーズ 2 周年は大成功でした。

小川顕太郎 Original:2001-Jul-15;