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 Diary 2001・7月3日(TUE.)

おまわり

 ショウヘイくんが、家の奥から大量に出てきた写真を持ってきて見せてくれる。一番古いもので、お祖父さんの幼少期の写真があるから、だいたい明治の頃のものだろう。

 よく分からないが、この頃に大量の写真を撮っているという事は、かなりの金持ちだったのではないか? ショウヘイくんも、祖父の代までは金持ちだったらしい、と語る。現に、お祖父さんがシンガポールで全身真っ白のスーツを着て、まるでフィッツカラルドばりに写っている写真もあるし、お祖母さんの写真も多いのだが、実際にかなりの美人とはいえ、やたらとモデルのようにポーズをつけまくった写真が多い。これは何なのか。ショウヘイくんに尋ねても、お祖父さんやお祖母さんがどういう人であったのか、どのような仕事・生活をしていた人なのか、よく分からないらしい。お父さん(写真に写っているのは父方の祖父・祖母)に尋ねても、分からないらしい。

 しかし考えてみれば、私とて、祖父・祖母についてあまり詳しい事は知らないし、さらに言えば、両親についてさえ知らない。そのような事を語り合った記憶がない。まさに核家族。あかんやん。いや、保守としてね。

 ショウヘイくんの祖父・祖母について、唯一詳しいと思われる叔父さんが、いま危篤状態だという。なんとか生きているうちに詳しい話を聞かねば、とショウヘイくん。

 そういえば、私の祖父、不死身といわれた祖父も、そろそろ危ないらしい。惚けてきつつある、という話だ。やばい、急がねば。とかいいながらもう 5 年ぐらい経つんですね、これが。真剣に、やばい、かも。急がねば。

 マキさんが「『おまわり』って、何の事か分かりますか? 私、分からなかったんですよ」と言う。「おまわり」って…マッポ、っていうか警察の事じゃないの? 「違うんです。京都の言葉なんです。あ、ショウヘイくんなら分かるかな?」「ええ。御飯のおかずの事じゃないんですか。」

「そう! 私、このあいだ取材に行った先で、分からなかったんですよー。」

 御飯の周りに置いてある皿にはいっているから、「おまわり」。もともと公家言葉らしい。なーんじゃそれ。ショウヘイくん曰く、言葉の意味は分かるけれど、使わないですよ、そんな言葉、との事。うーん、ニヌキ、ドンツキ、オクドサン。京言葉、ですかあ。

小川顕太郎 Original:2001-Jul-5;