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 Diary 2001・1月30日(TUE.)

さる

 アキラ 28 に貰った猿の置き物を、カウンターの奥にある食器棚の後ろに置くことにした。これはなにも猿が見苦しいので隠す、というのではなく、その場所がちょうどオパールの鬼門にあたるからだ。

 よく知られているように、京都では鬼門に猿を置いて魔除けとしている。御所の北東部は鬼門にあたるため欠けており、そこには御幣を持った猿の像が置いてある。その鬼門の延長線上に幸神社があり、ここの鬼門にも猿の像がある。そのさらに先に赤山禅院があり、ここにも猿がいる。そして、その先には猿の神使をもつ日吉神社が地主神を務める比叡山があり、このラインを鬼門守護の「猿のライン」という。オパールもこれの真似をして、鬼門に猿を置こう、という訳だ。

「それならアキラくんに、御幣を作って貰わないとね」とトモコが言う。「いっそオイシンがそのまま棚の後ろに座ったらいいんじゃないか。オイシンって猿みたいだし。」と私が言う。オイシンは事情が飲み込めず、不思議な表情をしている。

 そんなこんなで騒いでいるうちに、猿を移動させるのを忘れてしまった。トホホ。帰り道で、我々と同じく仕事帰りのヤナギノくんと彼女に会う。ヤナギノくんの店「酒陶 柳野」へは、四富会館から移転後、我々はまだ顔を出していない。こんなに近所に場所が移ったのに。が、「酒陶 柳野」の評判は上々で、ベッチなどは毎週のように通っている。「また寄せてもらいますう」と、お互いに言い合って、別れる。

 しばらく行くと、「高松伸さん 住環境のことも考えて下さい 高さは伸ばさず」といったような事が書いてある貼紙が、やたら貼ってあるところがあった。どうやら新しくおおきな建物が建つらしく、それに住民が反対しているようなのだ。その建物の設計者が高松伸なのだろう。それにしても「高さは伸ばさず」って…。

 出来たての「新風館」の横を通り、家路を辿った。

小川顕太郎 Original:2001-Jan-1;