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 Diary 2001・4月26日(THU.)

MAN ON THE SHIP

 タマイくんが「拾得」でライブをするというので、ショウヘイくん・オイシンとともに、観に行く。タマイくんは、現在は横浜に住んで、東京で活動しているが、2 年半前までは関西に住み、主に大阪のライブハウスで活躍していた。私の友人の中では最もソウルフルに歌える人間だ。サム・クック、ジャッキー・ウィルソンあたりを歌わせたら絶品で、私は、歌える人間っていいなあ、と羨むことしきりである。そんな彼の京都初ライブだというので、駆け付けたのであった。

「拾得」に行くのは始めてだ。「磔磔」みたいなところ、と人から聞いていたが、酒蔵を改造した店内に入ると、向かって左端に座敷席がズラッとあり、あとは木造の机席がバアッとあって、手前に舞台があるという造りで、小さいながらも「磔磔」よりも雰囲気はよいと感じた。まあ、似たような感じではあるのだが。この小さな舞台で、本日はプララ、MAN ON THE SHIP(タマイくん)、水中ショーの 3 バンドが出演。チャージ 1000 円。タマイくんは 2 番目に出た。

 タマイくんは、普段はオガタくんという元スピリチュアル・バイブスのパーカッションをやっていた人と一緒に舞台に立つのだが、オガタくんが病気で倒れてしまったので、ひとりで舞台に。必然的に弾き語りのスタイルになる。先程タマイくんは私の友人の中で最もソウルフルに歌う、と言ったが、それはソウルを歌った時の話しで、自らのオリジナルを歌うと、それが日本語歌詞であり、さらに弾き語りであるということになると、どうもブルース臭くなる。それも、大阪のブルース。それに今回改めて認識し直したことだが、歌詞の内容が、夢破れてうちひしがれている男、都会の片隅で孤独に震える男、世間の荒波の前で竦んでいる男、失ったものの大きさに茫然自失の男、といった感じのものばかりだ。なんというか、これが実はタマイくんのパーソナリティーかもしれないが、もっと女の子を口説く歌とか、ダンスの楽しさを讃える歌とか、喜びに満ちた曲を歌おうよ。

「そうやねん。オレ、真剣にノ−ザンソウルバンドやろうかと思ってるねん。」

 実をいえばタマイくんは、昔からのノ−ザンソウルファン。といっても、昔は今のようにイギリスのノーザンシーンの情報は入ってきていないから、アメリカ的な意味でのノ−ザンファンだった。インビクタス、ホットワックス、モータウン、それからカーティス・メイフィールド周辺のシカゴソウル、など。それがここ何年か、どうやらソウル離れを起こしていたらしいのだが、このあいだ帰郷してオパールに寄ってくれた時に、私がイギリス直系のノーザンソウルにはまっている話しをしたのをきっかけに、猛烈に昔のノ−ザン魂が頭をもたげたらしく、CD コンピレーションやシングルなどを買い漁っているという。

「もう、なんか自分の作った曲を歌っているのが、馬鹿らしくなってきた。ソウルが歌いたいわ。」

 そうそうそう。是非とも、ノ−ザンソウルバンドを作ってよ。そして、関西に遠征してきて下さい。日本のノ−ザンソウルシーンの中心は関西なんだから。

小川顕太郎 Original:2001-Apr-28;